選択的夫婦別姓(とくに現在まで
実現しないこと)に関係する日本の「民族性」とは
なにか?という問題の続きです。
さしあたってわたしが思いつくのは、
「根強いジェンダー差別が日本の民族性だから、
選択的夫婦別姓がいつまでも
実現しない」ということになるでしょう。
https://t.co/XOw20wA199 民族性を語るとは具体的にどんなことですか? 「根強いジェンダー差別が日本の民族性だから、選択的夫婦別姓がいつまでも実現しない」というお話でもすればいい、ということですか?
— たんぽぽ (@pissenlit_10) November 28, 2020
日本のジェンダー差別が根強いことは
いくつか根拠を示すことができます。
世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数は、
毎年発表されるたびに順位が低下し、
2020年は153カ国中121位という低迷です。
「ジェンダーギャップ指数2020(3)」
因襲的でジェンダー差別的な家族の
ありかたへの固執を続けているため、
出生率、出生率が低下を続けています。
近年は低下のペースに加速がかかってさえいます。
「出生数の減少が予測より早まる」
性暴力とそのセカンドレイプがひどく、
被害者が外国へ「亡命」することもあります。
医学部で女子受験者の点数を恣意的に
操作して、女子の合格者を減らすという
信じがたい差別もあります。
「2010年代の日本ジェンダー史」
日本のこのようなジェンダー差別は、
諸外国でも常識的に知っているかたが、
増えているくらいです。
こうなるとジェンダー差別は
日本の民族性に根ざした、日本に顕著な現象と
言うこともできると思います。
こうしたジェンダー差別の一端として
選択的夫婦別姓がいつまでも実現せず、
世界でほぼ唯一の夫婦同姓が強制される国に
なったことがあると言えるでしょう。
なぜ日本ではかくもジェンダー差別が根強いか、
日本の「民族性」に関係してくる理由で
わたしが思うことにも触れておきます。
ひとつは日本は人口が多いので
女性が働かなくても、生産性を確保できて
社会を維持できることがあると思います。
それゆえ日本は女性を差別し続けても
社会はさほど困らなかったということです。
スウェーデンなどの北ヨーロッパで
ジェンダー平等が世界に先駆けて進んだのは、
人口が少ないので女性も働かないと社会を
維持できなかったこともあるのだと思います。
もうひとつは日本には異民族の存在が
目立たなくて、単一民族、均一民族だと
思われてきたことがあると思います。
社会がエスニシティ的に均一だ(と思われる)と、
その社会の差別の矛先はジェンダー、
つまり女性に向かう傾向が強くなります。
たいていの国では異民族の存在が目立ちます。
そうした社会では「目につく異民族」に
差別の矛先が向かう傾向が強くなります。
かくしてジェンダー差別の前にエスニシティ差別が
顕著になるということです。