2019年07月13日

被差別者に理解や共感を示すこと

7月7日エントリの続き。

「四条烏丸」は、選択的夫婦別姓問題は
未婚のかたには関係ないと、殺し文句のように
言うことがしばしばある問題です。

過去に婚歴がなく、今後も結婚の予定がないかたが
実際にいたとして、そのようなかたには、
選択的夫婦別姓について語る資格はないのか、
という問題を考えたいと思います。

 

選択的夫婦別姓は、自分は夫婦別姓を
選択しないかたが、他人が夫婦別姓を選択することを
認められるか、という問題でもあります。

この意味では婚歴や結婚の予定に関係なく
万人に関係があることになります。
このあたりは6月6日エントリでお話しています。

「選択的夫婦別姓・非当事者の問題」


自分と同じ属性の人が、その属性に属している
という理由で、差別や抑圧といった
理不尽な扱いを受けていれば、それだけで
嫌悪、警戒、恐怖の対象になるのは、
ごく自然なことだと思います。

自分も同じ理由で、その差別や抑圧を受ける
可能性が保留されるからです。
そもそも単純に、眼の前で理不尽に
苦しんでいる人を見るのが苦痛だと思います。

自分の嫌悪、警戒、恐怖の対象である
差別や抑圧に対して、なにか自分の思うことを
発言したり、解決のために行動したいと
思うかたが出てきても、それは当然のことです。


また現在、差別や抑圧といった理不尽な
扱いを受けている人たちに対して
理解や共感を示すことや、力になりたいと思って、
発言や行動をすることもごく自然なことです。

自分が同じ理由で差別や抑圧を受ける
可能性が保留されなくなるからです。
そもそも単純に、眼の前の苦しんでいる人を
助けたいと考えることは、自然な感情です。


日本で結婚改姓にともなう不利益に
直面するのはほとんどの場合、女性です。
よって女性であれば、自分に婚歴や
結婚の予定がなくても、不本意な結婚改姓を
強いられることに問題を感じることは
いくらでもあるでしょう。

そのような女性のかたが選択的夫婦別姓に
対して問題意識を持ち、発言や行動を
することは、なんらおかしくない
ごく自然なことだと言えます。


「四条烏丸」は結婚して子どももいる中高年男性で、
年収が1000万円以上あると言っています。
よって現代の日本社会においては、
「四条烏丸」は社会的強者になります。

自分と同じ属性に属しているという理由で
差別や抑圧を受ける人を見る機会は、
「四条烏丸」にはほとんどないということです。

それゆえ自分と同じ属性の人が
差別や抑圧を受けるのを見た人が
なにを感じなにを考えるかという心理や思考も、
「四条烏丸」には理解できないものと思います。


「四条烏丸」は自分が直接経験していないことを
理解する知識、思考力と想像力が
いちじるしく欠けていると思われます。


それゆえ眼の前で理不尽な扱いを
受けているかたに対して理解や共感を示すことも
「四条烏丸」はほとんどできないのでしょう。

自分に理解力や想像力がないので、
自分が経験しないことに対して理解や共感を
示す人のことも理解ができず、
「関係ないのに発言するのはおかしい」とか、
「関係ないなら発言できないはず」と
「四条烏丸」は考えるのだと思います。


「四条烏丸」は、自分が直接経験しないことに
対しては、どうやっても理解や共感を
示せないというなら、それでもいいでしょう。

世の中には「四条烏丸」と違って、
直接経験しないことに対して理解や共感を示せる
理解力や想像力を持った人が
たくさんいることを理解されたいです。

「四条烏丸」は理解力や想像力がなさすぎて、
自分より理解力や想像力がある人の存在自体に、
理解や想像ができないのかもしれないです。
その場合、「世の中には自分と異なる他人がいる」ことを、
あたまで覚えておかれたいです。
posted by たんぽぽ at 23:27
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