2016年09月28日

AVの影響を受ける男性

カレシがアダルトビデオの影響を受けて、
自分が望まない性交のプレイを要求してくるというお話です。

「AVの弊害 男はみんないい加減気づいてくれ」
(はてなブックマーク)

アダルトビデオに出てくるプレイを現実と信じきっていて、
女性がなにを言っても聞く耳を持たない状況になっています。

 
私の彼氏はもろAVに影響を受けたセックスをしてくる。
強く刺激すれば気持ちい、激しくすれば感じるって本気で思っているようだ。
私がなんどもそれを否定しても、
「お前は本当のセックスを知らないから」と言って聞かない。
いやいや、激しくされて感じてるって思わないでよ。
こっちはムード壊したくないから声出してて、
内心では痛いんだけどってずっと思ってる。

むかついたから本音でそれを語っても、
まだ慣れていないだけでそのうち気持ち良くなるって言って聞かない。
優しくされる方が本当に気持ちいいのに、それすら否定。
彼を洗脳したのは多分AVやエロアニメだと思う。
いい加減こっちも疲れてくる。
AVメーカーはお願いだからビデオの最初に、
これはフィクションで、演技で、実際の女性は
この方法では感じませんって書いて欲しい。

あ、あとレイプ願望を持ってる女なんて少数派だし、
いたとしてもせいぜいイケメン限定だってこともみんな知っておいてくれ。
AVによる刷り込みなのか洗脳なのか、本当に迷惑極まりない!!


このような経験のある女性は、少なくないのではないかと思います。
次の記事でもAVの影響を受けた男性が、
危険なプレイや女性が望まないプレイを要求するときの、
典型的なパターンがまとめられています。
それくらいよくあるということなのでしょう。

「「AVに影響受け過ぎ!」と、Hのときにドン引きした男性の言動9パターン」

【1】「顔に出していい?」と真顔で聞く
【2】「もっと喘ぎ声出さないと!」と強要する
【3】「次にHするときは制服着てきてね」とコスプレを要求する
【4】「今まで一番興奮したHは?」など、
AVのオープニングのようなトークを展開する
【5】「どこが気持ちいいのか言ってごらん」などと
直接的な単語を言わせようとする
【6】「口でして」と当たり前のように求める
【7】「1人Hしているところ見せて」と興味深そうに言う
【8】「1度のHで何回くらいイクの?」と
誰もがHで絶頂に達するものだと思い込んでいる
【9】「誰にも見せないからいいでしょ?」と撮影を提案する

人はだれしも受けたメディアに多かれ少なかれ感化されるのでしょう。
性的メディアを視聴すると、攻撃行動や性暴力を
肯定する傾向が強まるという指摘があります。
AVの影響を受けて危険なプレイや女性が望まないプレイを
したがる男性が出てくるのも、そのうちと言えそうです。

「【書評】性犯罪の行動科学」
例えばポルノは見た人の攻撃行動を増加させ、
それが暴力的なものだと有意差があるほどではありませんが
より影響が大きいことがわかっています。
またポルノ視聴が多いほど性暴力を支持する態度を
強く持っていることがわかっています。

さらに小児わいせつ犯においては、ポルノの使用頻度が
再犯の危険因子であることもわかっています。
つまりポルノを使用する頻度が多いほど、再犯を起こす危険性が高いのです。


男性のAVに出てくるプレイは現実という思い込みは、
ある種の確信をともなっているものがあると思います。
当の女性が否定しても、ぜんぜん納得しないことも多いです。
かかるAVに対する男性の確信は、受けたメディアに
感化される以上の要素もありそうです。

それはメインブログの9月7日エントリでお話した、
性衝動が起きる生物学的条件と関係がありそうです。
繁殖可能性という観点から見て、この相手となら
セックスしてよいと思える条件です。

男性の生物学的条件は次のようです。
女性の外見、容姿と清純さだけで、性衝動が容易に起きるわけです。
これは男性は妊娠、出産、育児のコストやリスクが
ほとんどないので、セックスすればするほど
「繁殖可能性が高まる」ことによります。

「性衝動の生物学的条件」
「愛とセックスの関係 ~男女の違い~」

A. 男性の性衝動は、能動的、攻略的なものであり、
女性の子どもを産む育てる能力(fertility:ファーティリティ、妊孕性)に
ついて無意識のうちになされる評価によって湧き起こる

B. ファーティリティの現在からの積分である
フィカンディティ(ficundity:フィカンディティ、
これからどのくらい子供を産めそうか)という観点


男性は性的な接触に関して失敗しても失なうものが少ないので、
男性の性に関する状況認識は、ことを楽観的に考える
ポジティビティ・バイアスがかかりがちです。
女性がだれに対しても行なう礼儀正しいおもてなしを、
受けた男性が自分にだけ特別な行為を向けられたと思うという、
よくある痛い勘違いは、ポジティビティ・バイアスの例です。

男性がAVに出てくるプレイを見て、現実だと確信するのも、
ことセックスに関しては、自分に都合よく楽観的に考える
ポジティビティ・バイアスもあるものと考えられます。

また男性は性交における自身の損失が少ないので、
女性の性的苦痛を過小評価する傾向があります。
それゆえ「AVのプレイは現実ではない」といくら当の女性が
否定しても、男性は聞き入れないのだろうと思います。


付記:

このエントリは、メインブログの7月31日エントリにいただいた、
以下のコメントを参考にしました。

ヒトは状況認識において、一般にネガティビティ・バイアス
(負の情報価が正の情報価より高い)による
損失回避性が働きやすいですが、男性の生殖に関する認識は、
これとはほぼ逆の、自信過剰バイアス、
ポジティビティ・バイアスが働きやすいとされています。

例えば、女性が誰に対しても行う礼儀正しい振る舞いでもてなしたのに対し、
男性側は自分に対する特別な好意によるものと受け止める
(他者から見たら根拠なき自信過剰に映る)、
女性の自分に対する好意的反応を過大評価し、嫌悪的反応を過小評価しがちです
(正の情報価の方が負の情報価より高い)。

これは、自信過剰バイアスやポジティビティ・バイアスが
かかることによって、投資が無駄になってしまうリスクをとって
女性への求愛行動にチャレンジする動機を高めます。

男性にとって性交によるリスクが女性と比べてごく小さいため、
淘汰圧がそれなりに高い状況では、
これらのバイアスがかかることが遺伝子継承可能性の上で
有利に働いたからだと進化心理学では説明されます。

男性が一般に、女性の性的苦痛を過小評価しやすい
少なからぬ要因は、この認知バイアスによるものだと言えます。

(ritiarno at 2016年09月24日 01:22)

posted by たんぽぽ at 06:46
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