2016年03月21日

「保育園落ちた」政権の対応

国会でも取り上げられた「保育園落ちた日本死ね」ですが、
3月7日参院予算委員会では、安倍首相は前の態度とは一転して
政権の取り組みに理解を求める発言をしたのでした。

「「保育園落ちた」ネット世論で政権一転 首相も軌道修正」
「ブログ「保育園落ちた」共感広がる 政権一転 改善へ意欲強調」(全文、1/2)
「ブログ「保育園落ちた」共感広がる 政権一転 改善へ意欲強調」(全文、2/2)
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「安倍首相 「保育園落ちた」答弁一転 待機児童減少へ意欲」
「待機児童対策で保育士給与増追加 政府、ブログ反響で検討」

「「保育園落ちた」波紋…政府、沈静化に躍起」
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「待機児童解消へ、政府・与党が新対策チーム」

7日の参院予算委では、待機児童を減らすため
「政権交代前の倍のスピードで受け皿作りを進めている。
保育士の待遇改善にも取り組みたい」と理解を求めた。

社民党の福島瑞穂氏が「政策の失敗だ」と追及したのに対し、
首相は、保育の受け皿を2017年度末までに50万人に増やす政府の方針を説明。
「失敗には当たらない。一生懸命頑張っている」と反論した。

2月29日の衆院予算委員会では、安倍首相は「本当に起こっているのか
確認しようがない」と言ってそっけなかったのでした。
「誰が書いたんだよ」なんて心ない野次も飛んだのでした。
このときと比べると態度がだいぶ変わったことになります。

「「保育園落ちた」国会で議論」


さらに3月11日には、保育士の給与の引き上げなど、
追加の対策の検討をし始めました。
またプロジェクトチームの設置も予定し始めています。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016031101001966.html
政府は11日、待機児童解消に向け、保育士の給与を少なくとも
2%引き上げることや、子どもが近隣自治体の保育園に
通いやすくする制度の促進など、追加対策の検討を始めた。
「保育園落ちた日本死ね」とつづった匿名ブログをきっかけにした
安倍政権への批判をかわす狙いだ。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160310-OYT1T50192.html
自民、公明両党はそれぞれプロジェクトチームを近く設置し、
対策を政府に提案する。待機児童問題を巡っては、
「保育園落ちた日本死ね」と題した匿名のブログが波紋を広げており、
新たな対策を講じることで世論の反発を沈静化させたい考えだ。

2%程度の給与引き上げでは、ぜんぜんたいしたことないとはいえ、
口先だけでなく具体的な行動にまで入っているわけです。
匿名記事の反響はとても大きく、国会前の集会や
署名にまで発展したのが効いたのでしょうか。

「「保育園落ちた」集会と署名」

「匿名だから相手にできない」なんて軽視していると、
大変なことになると察知したのでしょう。
政権に対する世論の批判が強まったり、
今年の参院選へ影響することを警戒したということだと思います。
こういうところは「機を見るに敏」だと思います。


付記:

「政権交代前の倍のスピードで受け皿作り」というのは、
2015年4月から始まった「子ども子育て新制度」にもとづく
保育所整備の強化のことだと思います。
次のように2015年から保育所の数や定員を大きく増やしています。

「保育所等関連状況取りまとめ(平成27年4月1日)」

保育所等定員数及び利用児童数の推移 保育所等数の推移

待機児童数は2014年まで毎年減り続けていましたが、
受け皿を増やしたはずの2015年からふたたび増加したのでした。

「待機児童の状況及び待機児童解消加速化プランの状況について」

待機児童数の推移


関連エントリ:

「「保育園落ちた日本死ね」」
「「保育園落ちた」集会と署名」
posted by たんぽぽ at 19:26
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