2015年02月27日

夫婦別姓と一夫多妻の関係

選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)の中には、
「夫婦別姓を認めたら、一夫多妻制も認めなければならない」
などと言う人がときどきいます。

なぜ一夫多妻制を夫婦別姓との交換条件に
しなければならないのかと、不可解に思うところです。
どう考えてもたがいに関係ないし、単なる極論としか思えないからです。
そのあたりについてすこし考えたのがつぎのまとめです。

「「選択的夫婦別姓を認めるなら一夫多妻制も認めろ」
という奇妙な意見についての考察」



考えられる理由をいくつか書いておきます。

1. 例の「家族思想」の信奉者。

これらの人たちは、自分の信奉する「家族思想」に反する
夫婦別姓などを認めると「家族」の意味がなくなると思っています。
どうせ「家族」の意味がなくなるのなら、
なにを認めてもよくなると言いたいのだと思いますが、
同性結婚とかシングルマザーは得るものはないけれど、
一夫多妻制なら自分(男)の利益になる、ということなのでしょう。


2. 夫婦別姓を認めると不倫しやすくなるという発想。

ある種の人(男性)は、妻が名字を変えないことによって、
妻が浮気をしやすくなると信じています

(その理屈だと名字を変えていない自分は、
もともと浮気しやすいことになることには気がつかないようです。)
妻が浮気するなら、自分もあらかじめ複数の女性と
結婚できるようにしないと、割りが合わないとでも言いたいのでしょう。


3. 既得権損失の代償。

ある種の男性は、妻に改姓させて自分の名字を
名乗らせることを「当然の既得権」と考えているようです。
「自分(男)の支配欲」「所有意識」が満たされるのでしょう。

選択的夫婦別姓が認められることによって、
「妻に改姓させる」という「当然の既得権」が失われて、
自分の「所有意識」が満たされなくなるので、
「代償」として男の利益になるものをよこせということです。
一夫多妻制は「男の利益」に加えて、女があからさまに損をすると
実感できるので、なお気持ちがいいのかもしれないです。

妻に改姓させるというのは、あきらかに女性の犠牲の上に
成り立つことであり、それによって利益を得る男たちは
社会構造を利用して、不当に搾取してきたことになります。
本来なら無条件で手放してしかるべきものです。

ところがある種の人たちは、「既得権」を当然視しすぎていて、
「加害者をやめる」ではなく、自分を「被害者」と思うのですよね。
いわゆる社会的強者やマジョリティの中には、
既得権損失で被害者意識に走る人は、めずらしくないと思います。
posted by たんぽぽ at 21:33
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