5月19日エントリでご紹介した、選択的夫婦別姓の議論のまとめについて
さらにさきを見て行きたいと思います。
「選択的夫婦別姓のまとめ」
「「選択的夫婦別姓」反対派・賛成派がよく挙げる理屈の矛盾・問題点まとめ」
今回は反対派の主張として挙げられているものを見てみることにします。
>別姓反対派のよくある主張とその矛盾・問題点
>「夫婦別姓は中韓の伝統的な男尊女卑を反映した文化だ!」
これはむかしから反対論者が持ち出しているものですね。
議論としては、相当に手あかが付いている部類に入ると思います。
「中国、韓国の別姓は儒教由来の女性差別?」
日本で選択的夫婦別姓を導入したい動機は、もちろん男女平等の見地であり、
女性にも非改姓権を保障することにほかならないです。
いまではほとんどすべての欧米の民主主義国で
夫婦別姓が選択できるようになっています。
これも女性の権利の保障のためであり、日本もこれとおなじ動機ということです。
「夫婦別姓は男尊女卑の反映」という反対論者は、
欧米の民主主義国も中国や韓国の男尊女卑を取り入れて、
夫婦別姓が選択できるようにしたと、思っているのかと思います。
またスペインも前近代から夫婦別姓なのですが、
反対論者はこれも「男尊女卑」だと言いたいのかと思います。
反対論者は世界の情勢に無知で、夫婦同姓が強制されるのが
世界の常識であり、夫婦別姓の国は中国と韓国だけと、
本気で信じている人もけっこういたりします。
「夫婦別姓は男尊女卑」というのは、その程度の国際認識ゆえに
出てくる発想であるとも言えます。
韓国では近年に家族法が改正されて、
2008年から男性優位の戸主制度が廃止されています。
また中国は第二次世界大戦後、数回の婚姻法改正で
男女平等の見地からの夫婦別姓と意味付けが変えられています。
よって、反対論者たちの信じている「男尊女卑にもとづく夫婦別姓」
というものは、すでになくなっているということです。
2009年に民主党が政権を取るころに前後して、
ネトウヨに代表される排外・国粋主義者たちが、選択的夫婦別姓の議論に
入り込んできて、反対を主張するようになってきました。
彼らが選択別姓に反対するのは嫌韓国・嫌中国の立場からであり、
「夫婦別姓=中国と韓国の制度」という認識があることによるのでしょう。
もともとカオスだった選択別姓反対派の主張は、
ネトウヨの参入でさらにカオスになったと思います。
「朝鮮の制度と言っている」
中には「夫婦別姓は在日が望んでいる」と言うネトウヨもいたりします。
これは在日コリアンに対する被害意識に加えて、
外国人との結婚は原則夫婦別姓であり、選択的夫婦別姓問題は
日本人同士のお話であるという、基礎的な認識がないことによるのでしょう。
「夫婦別姓は在日が望んでいる?」
さらに嫌韓国・嫌中国感情をこじらせてくると、
「夫婦別姓は日本の家族破壊をたくらむ中国や韓国の陰謀」などと、
被害妄想をあらわにしてくるのもいるのですよね。
これは嫌韓国・嫌中国に加えて、「夫婦別姓で家族崩壊」という
反対論者の好きな古典的偏見とが結合したものと思います。
「夫婦別姓は家族破壊の陰謀?」
2014年05月21日
選択的夫婦別姓のまとめ(2)
posted by たんぽぽ at 23:39
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