2023年07月25日

選択的夫婦別姓と戸籍・共産党の見解

7月21日エントリの続き。

井田奈穂さまからお返事をもらった
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、
今度は「なぜ共産党はこんなことを
言っているのか」と言ってきました。

 


「こんなこと」というのはなんだ?と思って
リンクしているツイートを見ると、
「共産党は選択的夫婦別姓によって
戸籍制度を壊すのが目的と回答した」と
勝ち誇ったように言っています。

本当にそんなことを言っているのか、
共産党からの回答のスクリーンショットを
貼っているので、それを見てみます。


はじめに
すでに1996年の法務省法制審議会答申で、
選択的夫婦別姓の民法改正を行う場合には、
同時に戸籍法を改正し、別姓夫婦の戸籍の
編製単位、指名の記載等について
措置を講ずると示されています。

現状は、同姓(同氏)の戸籍だけですから、
別姓夫婦の戸籍記載について、
新しいケースを創設するのは当然の措置です。
と共産党は回答しています。

選択的夫婦別姓を導入するとなると
夫婦別姓にも対応できるあたらしい
戸籍のフォーマットが必要になるということです。
これはこれで当然のことです。


そのあたらしいフォーマットは、
1994年12月に法務省・法制審議会が
発表しているものだと言っています。
わたしのブログでも何度もご紹介しているものです。

「選択的夫婦別姓で戸籍は崩壊しない」
「選択的夫婦別姓・戸籍制度の維持を確認」

https://www.tumblr.com/lacrima16/724094898338463744/%E9%81%B8%E6%8A%9E%E7%9A%84%E5%A4%AB%E5%A9%A6%E5%88%A5%E5%A7%93%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E3%81%AE%E6%88%B8%E7%B1%8D%E3%81%AE%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%88%E6%B3%95%E5%8B%99%E7%9C%81%E6%A1%88

共産党が想定する夫婦別姓対応の
戸籍のフォーマットは、なんのことはない、
法務省・法制審議会の案ということです。


さらに共産党の回答を見ると、
以上のように、選択的夫婦別姓は、
現行戸籍制度の変更が当然必要に
なりますが、廃止は必要ではありません。
とあります。

「戸籍の廃止は必要ではない」と、
共産党はここではっきり回答しています。


最後に個人単位の身分登録について、
共産党は少し言及しています。
なお、家族単位登録の原稿戸籍制度
そのものを見直す要求もあります。
戦前の「家制度」の残滓であり、
各自が「筆頭者」となる個人別登録が、
憲法の理念である「個人の尊重」を
もっとも具現化する、などがその趣旨です。

この個人単位の身分登録は、
「ほかにこういった問題もある」という
「関連する話題」になっています。

個人単位の身分登録はのぞましいと、
共産党は考えていると思われますが、
選択的夫婦別姓とは直接関係ないと
していることはわかります。


共産党の見解は、「選択的夫婦別姓の
導入にともなって、法制審議会による
夫婦別姓対応の戸籍のフォーマットを
導入する」というものです。

さらに「選択的夫婦別姓の導入で
戸籍の廃止は必要ない」と明言しています。
そして個人単位の身分登録を導入する
議論もあることに言及してます。

共産党も、選択的夫婦別姓と戸籍の
関係については、ほかの選択的夫婦別姓の
実現を求めるかたたちと同じ
考えということになります。

共産党だからといって、選択的夫婦別姓と
戸籍の関係について、なにか変わった
見解があるわけではない、ということです。


posted by たんぽぽ at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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