2023年06月16日

改姓は年齢と無関係にうれしくない

6月15日エントリの続き。

歳を重ねると夫婦同姓がすばらしいと
思うようになる、などとエキセントリックな
反対派(非共存派)がいたのでした。

これは結婚当初は改姓が不満だった女性も、
年齢が上がると、改姓して夫の苗字に
なったことはよかったと思うようになる、
ということでしょうか?

 


以前、既婚女性を対象に結婚改姓に
ついての感慨を聞いた、インタビュー調査の
お話をしたことがあります。

「結婚改姓を喜ぶ女性はいないらしい」

この調査によると、結婚改姓がうれしかった
という既婚女性はいなかったです。

改姓にあたっての感慨を尋ねたところ,
やはり多いのは「そういうものだと思った」
「特に 何とも思わなかった」というものであったが,
やはり当然のように女性が改姓しなければ
ならないことに疑問を感じていた人もいた.
そして非常に多かったのが
「改姓はとても面倒だった」という意見である.
一方,「是非変えたいと思った」
「それこそ結婚の証だと思った」という程の
強い思い入れも見られなかった.
この点,学生など20歳前後の場合,
とりわけ女性はロマンチック・ラブ概念が
先行しているため,改姓に一種の憧れも
あるようだが,実際に婚姻を
経験している女性たちにはそれ程の
思い入れもなかったようである.

結婚改姓に不満がないかたでも、
「そういうものだと思った」
「とくになんとも思わなかった」
という感想にとどまっています。

これに対して、女性が改姓することが
当然とされることを疑問に
感じるかたは一定数いました。
そして「結婚改姓はとても面倒」という
意見はとても多かったのでした。


この調査に回答したかたの年齢層ですが、
20代から60代となっています。

「夫婦間の性別役割分業はなぜ変わらないのか
―既婚女性(1)へのインタビュー調査から探る―」


調査対象としてはある程度の婚姻年数を
経ていることが必要と考え、年齢は30歳前
後から60歳前後までとした。

20代と60代は少なめで、30代から
50代が中心となっています。
婚歴がそれなりに長く、年齢を重ねているかたも
回答していることになります。

対象者の年齢は20代1名、30代14名、40
代13名、50代10名、60代2名で、
30代、40代、50代が中心となった。

地域別では、東京都14名
(30代4名、40代4名、50代5名、60代1名)、
熊本市近辺12名(30代6名、40代5名、
50代1名)、北九州市近辺14名
(20代1名、30代4名、40代4名、
50代4名、60代1名)だった。

年齢層が上で婚歴があるかたの中にも、
「結婚改姓して夫の苗字になって
よかった、そのよさがだんだん
わかってきた」という既婚女性のかたは
やはりいない、ということです。



付記:

このインタビュー調査の論文によると、
「20代の学生くらいだと、結婚改姓に
一種のあこがれを持つことがある」と
考察しています。

「結婚改姓のすばらしさがわかる」かたが
いるとしたら、むしろ婚歴がない若い世代に、
たまに見られるということです。


posted by たんぽぽ at 22:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
もしかしたら、改姓しなかった男の人の妄想かつ思い込みなのかと思います。
Posted by 改姓した男の人 at 2023年06月17日 19:34
改姓した男の人さま、

改姓しなかった男性の妄想、というか、
「歳を重ねると夫婦同姓のよさがわかる」
なんてエキセントリックなことを
言う人を、わたしははじめて見ましたよ。

「昭和の懐かしいひと」だけが信じている、
固有の妄想ではないかと思います。
Posted by たんぽぽ at 2023年06月17日 20:12
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