2023年04月30日

伝説のホラー童話と「人権を踏んだ人間」

「人権の踏み絵を踏んではならない、
そこに底はない」というツイートです。
(直接的には入管法の改正案を
意識しているものと思います。)

この表現のしかたで、わたしが思ったのは、
H. C. アンデルセンの『パンを踏んだ娘』です。
知る人ぞ知るの、「伝説のホラー童話」です。

 


「パンを踏んだ娘」はこんなお話です。
主人公インゲルは、容姿は端麗ですが、
人間性は欠如した高慢な娘でした。

「パンを踏んだ娘」

インゲルは里帰りの途中、
服を汚したくないからと、パンを踏んで
ぬかるみを避けようとします。
ところが足をパンに乗せると、
そのまま底なし沼に沈んでいきます。

底なし沼は地獄でした。
本来ならインゲルは、そこから永久に
出られないはずでした。
ところがひとりの心やさしい少女の懇願で、
インゲルはどうにか許されます。

でもインゲルは人間には戻れず、
小鳥になってよみがえります。
それから善業を積むことで、
ようやく天国に召されることになります。


「パンを踏んだ娘」は日本でも
テレビ化して放映されました。
ストーリーが衝撃的なことに加えて、
テレビでの演出もホラー感が強く、
トラウマになったかたも
たくさんいると言われています。

「トラウマ級の恐怖…「パンをふんだ娘」がネットで話題 「相変わらずの不気味さ」「頭から離れない」」

現代のネット配信なら「ホラー要素あり」と
警告が必要なレベルだと思います。


インゲルが地獄に堕ちたのは、
パンはキリストの肉体の象徴だからです。
パンを踏むことは神さまに対する
冒涜になるので、このような救いのない
大罪になるということです。

現在の考えなら「人権を踏んだ人間」が、
このような救いのない大罪を犯した
人間になるのだろうと思います。
「人権にそむいた人間」こそ、
底なし沼に沈むのが妥当ということです。


「パンを踏んだ娘」で強烈なのは、
インゲルは地獄に堕ちても、それだけでは
人間性の欠如が変わらないことです。

現代の「人権を踏んだ人間」たちも、
底なし沼に堕ちただけでは、
反省などしないのだろうと思います。
小鳥になってよみがえらないと、
わからないのでしょう。


インゲルが小鳥になったとはいえ
蘇生できたのは、インゲルのために
泣いてくれる人がいたからでした。
「人権を踏んだ人間」のために泣いてくれる人は、
はたしているでしょうか?


posted by たんぽぽ at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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