苗字の問題で苦労したり傷ついた
という経験についてのお話です。
典型的でよくあるお話だと思います。
同様の経験をされたかたや、
共感できるかたも多いだろうと思います。
(寄せられた声) 来春の出産を控えています。
— 実家の名前を継承したい姉妹の会 (@shimainokai2018) November 17, 2021
結婚の際、「近いうちに(選択的夫婦別姓が)法制化されるはず」との期待もあり、私が夫の姓を名乗ることにしました。しかし、法制化の動きは遅々として進まず、その間、慣れ親しんだ名字を法的に無理やり剥がされ、さまざまな所で傷ついてきました。(続)
(寄せられた声) このままでは私の両親の姓が絶えてしまいます。それがとてもつらく、寂しい。
— 実家の名前を継承したい姉妹の会 (@shimainokai2018) November 17, 2021
ですが、夫に改姓を頼むのは、夫に私が味わった悲しさを味あわせることです。
ペーパー離婚して事実婚という手もありますが、それでは生まれてくる子どもの親権を夫は持てません。(続)
(寄せられた声) 子どもに私の旧姓を通称として使用させ、将来、選択的夫婦別姓が可能になるのを信じて待ったとして、もし子どもが結婚する歳になっても何も変わってなかったら?(続)
— 実家の名前を継承したい姉妹の会 (@shimainokai2018) November 17, 2021
(寄せられた声) 制度がありさえすれば解決する問題なのに、私たちが悪いわけじゃないのに、夫婦のあいだに溝ができそうで、本当に本当に胸が張り裂けそうなほど痛い。
— 実家の名前を継承したい姉妹の会 (@shimainokai2018) November 17, 2021
助けてください。夫のことを愛しています。彼につらい思いをさせたくないけど、私も限界です。本当にどうか、助けてください。
最初のツイートに関して、
「近いうちに選択的夫婦別姓は
実現する」と期待して、不本意だけど
婚姻届けを出して、望まない結婚改姓をした
というかたは、少なくないと思います。
そしてこの期待はかならず
裏切られてきたのでした。
いつまでも選択的夫婦別姓は実現せず、
苗字のことで苦労する悲劇は
あとをたたないことになります。
今後も当分は、はなはだ残念ですが、
そんな期待を持ったら裏切られる、
という状況は続くと思います。
なぜ裏切られる期待をするかたが
少なくないかですが、
選択的夫婦別姓の導入くらい
どうということはないというのが
一般的な感覚、ということがあると思います。
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は
がんめいきわまりない人たちであり、
乱暴な闘争を続ける狂信者、
ということが、一般の人たちの
想像を絶することもあると思います。
また現状では選択的夫婦別姓は、
自民党の党内議論で握りつぶすことが容易で、
国会まで出てくることが
なかなかないという制度上の問題も、
あまり知られていないと思います。
最初のツイートで「出産を控えている」と
ありますが、婚姻届けを出して
法律婚にする差し迫った必要があることも、
選択的夫婦別姓の実現を
楽観視させるのだろうと思います。
というより、そのあたりを楽観的に
考えないと、眼先の生活のモチベーションが
保てなくなるのでしょう。
このツイートのようなお話を
もちかけられた場合、わたしでしたら、
ひとまず婚姻届けを出さずに
なんとかやっていけないかを
考えることを勧めます。
選択的夫婦別姓が近いうちに
実現するなんてことは、
現状ではありえないことだからです。
それでもさまざまな事情で、
法律婚にする必要があるかたも
たくさんいるでしょう。
そうであれば婚姻届けを出すことを
引き止めるつもりはないです。
その場合でも「選択的夫婦別姓が
近いうちに実現する」なんて期待は
絶対持たないようにとは、
わたしは言うと思います。
そんな期待はかならず裏切られるので、
かえって神経をすり減らし、
精神的に疲弊するという
本末転倒なことになるからです。