性的少数者の理解増進法の提出を
自民党が断念したことを歓迎する人の続き。
この理解増進法の反対派はなぜか
フランスを繰り返し引き合いに出します。
日本の与党がコンセンサスが得られずLGBT法案を断念
— mei (@mei98862477) May 29, 2021
自民党幹部「全会一致でなければ成立は不可能」と発言
2021.5.29
フランスではジェンダーニュートラル教育は母国語にとって有害だと学校で禁止になっている程🇫🇷
日本も伝統を破壊するジェンダー政策には断固反対しましょうhttps://t.co/zuTqPyrZFI
フランスは家族政策を重視し、
ジェンダー平等に力を入れていて、
日本と対極的だということを、この反対派に
わたしはツイッターでお話しました。
フランスでは同性結婚が法的に認められている。夫婦別姓はもともとだけど、婚外子概念の撤廃や事実婚の権利保証と、次つぎと家族政策を進めてきた https://t.co/A1vb2ZAUUS 。日本と逆を行っている
— たんぽぽ (@pissenlit_10) May 29, 2021
6月12日エントリの最後でお話したような
内容を、ごく簡単にしたものです。
「日本の理解増進法とフランスの関係?」
フランスはかねてから家族政策を重視して、
力を入れている分野となっています。
同性結婚の法制化のほか、事実婚や
婚外子の容認など、時代とともに
家族に関する法的環境を整備しています。
「フランスの家族政策」「フランスの家族政策には三つの柱がある。
一つは法的環境の整備。事実婚や婚外子の容認、
異性同性のカップルに結婚と同等の権利を与える
「連帯市民協約(PACS)」の法制化、
同性婚解禁と、時代とともに進化している。
最初のツイートの人が「伝統を破壊するから
断固反対」と言っている「ジェンダー政策」を、
フランスはつぎつぎと導入しています。
そうしたら最初のツイートの理解増進法の
反対派は、「マクロンが大統領だから
フランス政府はジェンダー推進に積極的」
という趣旨のことを言ってきました。
プロLGBTのマクロンが大統領だから
— mei (@mei98862477) May 29, 2021
フランス政府がジェンダー推進に積極的なのは解る
ただし、ジェンダー推進連中が推していた学校でのジェンダー用語禁止は事実で、言語とは国体そのもの、それを破壊するから全面禁止になった
🇫🇷全体がLGBTに反対ではない、それはまた別の話whttps://t.co/onYcJlzdbZ
これも6月12日エントリで触れましたが、
フランスは1999年にPACSの導入で同性結婚に
法的な保証がなされるようになりました。
2013年に同性結婚の法律婚が
認められるようになっています。
PACSの導入はシラク大統領のときです。
同性結婚の法制化はオランド大統領のときです。
どちらもマクロン以前に導入されていますよ?
フランスで家族・ジェンダー政策を
重視するようになったきっかけは1994年、
出生率が戦後最低となったときです。
この原因を分析して、女性の就業率を
高めるために、ジェンダー平等政策が必要と
考えたことによります。
「フランスの出生率上昇の理由」
「フランスの出生率上昇の理由(2)」
1994年にフランスの出生率が戦後最低の1.66まで下がったとき、
「じゃあどうすればいいのか?」いうことを
国が冷静に見つめて調べたんです。
そうしたら、女性の就業率が上がっている一方で、
子供の数が増えるほど、母親の離職率が上がることがわかった。
つまり「女性が仕事と子供を両立するのは難しい」こと、
そしてこのままでは、「女性は子供を産むことより、仕事を選ぶ」
という現実が明らかになってしまったんです。
これは1997年に発表された労働省の報告書にまとめられています。
これによって1995年に大統領に
就任したシラクによる「3原則」が
掲げられることになります。
「出生率回復のシラク3原則」
1つめは、子どもを持っても新たな経済的負担が生じない、
2つめは、無料の保育所を完備、
3つめは育児休暇から女性が職場復帰する際、
ずっと勤務していたものとみなして企業は受け入れる。
この3原則と、婚外子を差別しないPACS(民事連帯契約)を、
ワンセットの政策パッケージとして導入しました。
フランスが家族政策やジェンダー平等に
力を入れているのは、1995年以降
ほぼ一貫して続けられていることです。
マクロン大統領になったから熱心になった、
ということではないです。