2021年06月04日

書いただけでない問題含みの創作物

選択的夫婦別姓の実現を求めるかたたちは、
「夫婦同姓の強制」を批判していますが、
「夫婦同姓」は否定していないです。

「夫婦同姓」を否定する推進派は
自分の知るかぎり知らないと言っている
ツイートがあるのですが、そこに選択的夫婦別姓の
反対派(非共存派)からリプライがきました。

 

この選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、
ドラえもんの映画の広告に「野比しずか」と
書いていることに批判があったことを、
具体例にあげています。

「結婚改姓が当然とされる創作への批判」
「結婚改姓が当然とされる創作への批判(2)」


「いちゃもんをつけていた」などと
この反対派(非共存派)は言っています。
「いちゃもん」ではなく「批判」です。
そしてその「批判」は相応の
根拠があってのことです。

正当な批判を「いちゃもん」と
矮小化するところから、この反対派(非共存派)の
認識は問題があると思います。


なぜ「野比しずか」の広告を批判するかと
言えば「女は結婚改姓をするものだ」
「女は結婚改姓するべきだ」
「女は結婚改姓を喜ぶものだ」といった
メッセージを発するからです。

結婚改姓に関する強烈な社会通念があって、
それゆえ望まない結婚改姓を
余儀なくする女性が多く、選択的夫婦別姓が
実現しない原因にもなっています。

そうした中で、「女は結婚改姓するべきだ」という
メッセージを強く発する広告を出す
というのは批判されても当然です。


既婚女性の多くが、取り立てて結婚改姓を
喜んでいないことを示す調査もあります。
「野比しずか」の広告が発する
メッセージは、事実を反映していない
という問題もあるでしょう。

「結婚改姓を喜ぶ女性はいないらしい」

あきらかに事実に反していたり
問題含みのメッセージを発している
創作に対して、「単に表現しているだけ」
などとナイーブな擁護をするのは、
この手の創作を擁護する人には
ありがちな論調だと思います。


posted by たんぽぽ at 22:32| Comment(4) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
原作で野比静香と名乗っているシーンがなかった気がします。彼女の名前は「しずか」ではなく「静香」です。広告会社はいい加減な気がします。
Posted by 改姓した男の人 at 2023年10月28日 01:26
『Stand by me ドラえもん』は、
わたしも内容をほどんど知らないので、
情報提供をありがとうございます。


「野比静香」は原作には出てこなくて、
広告にだけ入っているとしたら、
「女は結婚改姓するのが当然」は、
広告会社の思想の反映になります。
この方面からの批判の余地もあるでしょう。

「静香」の表記も不正確なようですし、
いささか問題含みな広告会社のようですね。
Posted by たんぽぽ at 2023年10月28日 22:34
この映画を私は見たことはありませんが、漫画の原作には野比静香と名乗っているシーンがなかったと思います。
のび太が2002年にタイムスリップしたシーンでは、息子のノビスケがいましたが、静香ちゃんが野比姓である表記はなかったと思われます。ちなみに僕がそのシーンを読んだのも2002年でした。
Posted by 改姓した男の人 at 2024年03月08日 21:38
>のび太が2002年にタイムスリップしたシーンでは

わたしも『ドラえもん』はそれなりに
読んでいるのですが、のび太が静香と
結婚して暮らしているというシーンは、
原作の漫画でも何回か出てきますね。

そうう言われてみれば、静香の苗字が「野比」
という記述は、わたしが知っているかぎりでも、
出てこなかったように思います。


藤子不二雄が選択的夫婦別姓に
どの程度理解があったかはわからないです。
記述が出てこないのは、
単なる偶然だろうと思います。

その場合でも、苗字に関する記述が
出てこないことは、家庭生活をいとなむ上で、
苗字なんて通常は意識しない、
ということではあると思います。


>僕がそのシーンを読んだのも2002年

それはすごい偶然です。
過去が未来を描いた作品を
「現在」として読んだことになりますね。
Posted by たんぽぽ at 2024年03月12日 21:47
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