2021年03月16日

「個人の選択」になる問題、ならない問題

3月9日の、選択的夫婦別姓の議論に関する
朝日新聞の記事についたブックマークです。

選択的夫婦別姓は個人の選択の
問題だから認めて当然という理屈だと、
一夫多妻や近親婚も認めてよいことになる
などと言っています。

 
「夫婦別姓」賛成派と反対派 議論かみ合わないワケは:朝日新聞デジタル

夫婦別姓に反対ではないが、個人の選択の問題でプライベートなことだから認めて当然、という主張にはあまり同意できない。その理屈だと、一夫多妻、近親婚なども個人の選択の問題と言えてしまう。

2021/03/09 16:24

選択的夫婦別姓を導入してよい理由に
「個人の問題」がよくあげられます。

それに対して反対論者の中には
「あれもこれも個人の問題で
認められるようになる」と言ってくる人が
いるのも、定番と言えるでしょう。
その「あれもこれも」として「一夫多妻」が
出てくるのも「お約束」だと思います。

それでもこのブックマークコメントの人は、
「危険な坂道」理論にしていないのは、
用心深いと言えると思います。


一夫多妻はあきらかに男性本位であり、
ジェンダー差別になると言わざるをえないです。
そんな差別を「個人の自由」で
認められないのは当然です。

近親婚は遺伝的な疾患を持った子どもが
産まれやすいという問題があります。
近親婚が多かったゆえに
家系が断絶することになった
ハプスブルク家の例もあります。

近親婚が「個人の問題」として
認められず禁止されているのは、
このような医学的に問題があるがゆえです。


選択的夫婦別姓にはこのような
差別や医学的な問題はあるでしょうか?

「選択的」ですから、夫婦同姓の選択肢もあります。
だれかが夫婦別姓を選択したところで、
ほかのだれかが夫婦同姓を選択することに
なんらさたまげはないです。

選択的夫婦別姓を導入しても
他者への干渉はまったくないですから、
差別的な要素はどこにもないです。
医学的な問題がないのは自明です。


選択的夫婦別姓の導入に対して
「個人の選択の問題」が理由になりえるのは、
他者の権利の侵害がないからということです。

一夫多妻や近親婚は他者への侵害が
あるがゆえに「個人の問題」に
留まらなくなり、選択的夫婦別姓とは
同列には扱えないということです。


posted by たんぽぽ at 21:34| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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