2020年04月05日

神の統治ということにする為政者

「理想の政治体制は神聖政治」という
驚くべきことを言い出した「Pちゃん」は、
そのあと奇妙なことを言いだしました。

「政治的に人間を治める神は存在しない」と
「Pちゃん」は言っています。
それなら「Pちゃん」の理想の政治体制
なるものは、なんなのかと思います。
まるで前言をひるがえしたようです。

 


「神聖政治」も実際に統治にするのは人間です。
本当に神が統治するわけではないです。
為政者が「自分は神の代理人だ」とか、
「自分のことばは神の意思だ」とか言って、
神が統治していることにするというものです。

17世紀のフランスとイングランドで
見られた「王権神授説」は典型的です。
この政治思想のもとでは、国王の権力は
神から授かったものだとされました。
これはまさに神さまの代わりに
国王が統治すると考えたと言えるでしょう。

「王権神授説」


「王権神授説」が主張された国ぐにでは、
国王は自分に全権委任した神に対してだけ
責任を負う、と考えられました。

現代の民主主義国家においては、
内閣が責任を負うのは議会です。
また公務員が責任を負うのは憲法です。

「王権神授説」は為政者が責任を負う対象を、
人間や憲法ではなく神とすることで、
神が人間社会を統治する体裁にしたとも言えます。


「Pちゃん」は本当に実在する神がいて、
人間社会を統治すると考えて、
「神聖政治」などと言ったのでしょうか?
そんな神さまならたしかにどこにもいないでしょう。

実在するのは「自分の統治を
神さまの統治ということにする人間」です。
そのように利用される神さまなら
「王権神授説」のヨーロッパに限らず、
世界中にいくらでも実在したことがあります。

posted by たんぽぽ at 13:54| Comment(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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