「見ようという気持ちがないと、
人は知覚することができない」という指摘で、
わたしが思い浮かべるのは、
選択的夫婦別姓の反対派がよく言う、
「結婚改姓したくない女性を見たことない」です。
結婚改姓したくない女性は実際にいます。
2016年はじめごろのウートピのアンケートで、
20-30代の首都圏勤務の女性の63%が、
選択的夫婦別姓が認められたら夫婦別姓
(非改姓結婚)を選ぶと答えていました。
「非改姓結婚希望が6割以上」
相当数の女性に結婚改姓したくない
気持ちはあるし、状況しだいによっては、
それを表明するということです。
ほかにも結婚改姓したくない女性が
一定数いることを示す調査や事実は、
いくらでもあると思います。
それにもかかわらず「結婚改姓したくない女性を
見たことない」と喝破する人が、
とくに選択的夫婦別姓の反対派にいるのは
どういうことかと思います。
そんなに夫婦別姓にしたいって人見たことないんだけどどこにいるの?どこに行けば会えるの?会いにいける夫婦別姓じゃないと死んじゃう人はどこにいるの? https://t.co/gK9tKeIdGp
— gota (@gotansan) January 24, 2020
父子継承は化石というのは、家督相続の観念が消えているのに、未だに父子継承なる言葉を用いるからだ。男性の姓を選択するのは慣習のせいでもあるだろうが、多くは女性の方の希望が多いと言う事実もある。それが強制的で苦痛だというのなら別だけれど、ほとんど抵抗なく受け入れられているのが普通だ。 https://t.co/S4xdHp2Dwl
— tensyobo (@ktpfz) July 1, 2018
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は
反対のために、「夫婦別姓」という選択肢を
否定する理由を探そうとします。
それゆえ彼ら反対派は結婚改姓したくない
女性の存在を認めたがらず、
自分の中で「存在が希少」ということにして
納得しようとするものと思います。
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、
結婚改姓したくないかた(女性)を
「見ようと思わない」どころか、
「見ないでいよう」とする意識を
働かせることになります。
ただでさえ意識しないと存在は見えないです。
そこへもってきて「目をそらそう」という
意識があっては、なおさら存在が
見えなくなるというものです。
また選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、
結婚改姓したくないかた(女性)に対して、
攻撃的で差別的であることが多いです。
上に示した反対派のツイートのひとつも
「夫婦別姓じゃないと死んじゃう人」などと、
ばかにした言いかたをしています。
結婚改姓の話題なんて、ただでさえ
プライベートでセンシティブなことです。
となれば攻撃的で差別的な人の前で
「結婚改姓したくない」という考えを
打ち明けることは、なおさらしないでしょう。
どんな心ない仕打ちをされて、
傷つけられるかわかったものではないです。
反対派(非共存派)の前では
「結婚改姓したくない」気持ちをむしろ隠して
気づかれないようにすると思います。
https://t.co/xQGNqNvmby
— nana/井田奈穂/選択的夫婦別姓・全国陳情アクション (@nana77rey1) January 25, 2020
日本中にいます。
自分の生まれ持った氏名を変えたくないってだけで、こんなふうに無礼な態度取られたり、グイグイ説明求めたりする人がいるんで、親しい人じゃないと言いたくないんですよねー。
男性にはほぼ説明求めないの、不思議よね。 pic.twitter.com/c4t9y1DxQH
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は
その偏見ゆえに、結婚改姓したくない人が
ふつうよりさらに見えない状況を
作り出しているということです。
ふつうにしていても、見ようという
意識がなければ見えないなら、
ふつうより見えない選択的夫婦別姓の
反対派(非共存派)には、
ますます見えないことになります。