結婚改姓したくないかたを
「超絶マイノリティ」などというツイートです。
「そんなマイノリティの権利より経済だ」という
「優先順位論」で、選択的夫婦別姓を
矮小化してリベラルを叩くという、
よくありがちな論調です。
経済的に厳しいから結婚出来ない人や恋愛強者じゃないから結婚出来ない人は無視して、夫婦別姓を選択出来ないから結婚しないとかいう超絶マイノリティの方向ばかり見てるのが現代リベラルの惨状じゃねえのか?
— マクシム (経世済民) (@thksngy) July 3, 2019
政府が介入すべきは前者か後者か?少し考えれば自明だろう
それでも個人の自由が大事か?
いくつか言いたいことはあります。
選択的夫婦別姓をのぞむかたは
「超絶マイノリティ」という認識に
異議があるので、ここではこれをお話します。
2016年のはじめごろに行なわれた
20-30代の首都圏勤務の女性対象の
ウートピのアンケートでは、選択的夫婦別姓が
実現したら、夫婦別姓(非改姓結婚)を
選択すると答えたかたは63%でした。
「非改姓結婚希望が6割以上」
女子校の小論文の課題で、選択的夫婦別姓に
ついて出したら、7割ほどの生徒が
「結婚改姓したくない」と書いた
という報告もあります。
「夫婦別姓の希望は実は多数派?」
この数字、ものすごくリアリティがある。2年前に小論文で「選択的夫婦別姓」について書かせたら生徒はなぜか「選択的」を落として改姓しないメリットを論じてたけど、7割くらいの子が改姓したくないって書いた。(女子校) https://t.co/rWFKbknovf
— 3a8(ab) (@saya_fairyland) July 3, 2018
これらを見ていると、結婚改姓したくない人は
「多数派」かもしれないですよ?
「超絶マイノリティ」でないことはたしかでしょう。
実際に結婚改姓した女性を対象に
結婚改姓についての調査をしたところ、
改姓を喜んだ女性はいなかったのでした。
また改姓に対する疑問や不満のある
女性は結構たくさんいました。
「結婚改姓を喜ぶ女性はいないらしい」
改姓にあたっての感慨を尋ねたところ,
やはり多いのは「そういうものだと思った」
「特に 何とも思わなかった」というものであったが,
やはり当然のように女性が改姓しなければ
ならないことに疑問を感じていた人もいた.
そして非常に多かったのが「改姓はとても面倒だった」という意見である.
一方,「是非変えたいと思った」
「それこそ結婚の証だと思った」という程の
強い思い入れも見られなかった.
この点,学生など20歳前後の場合,とりわけ女性は
ロマンチック・ラブ概念が先行しているため,
改姓に一種の憧れもあるようだが,実際に婚姻を経験している
女性たちにはそれ程の思い入れもなかったようである.
この事実も、結婚改姓したくない女性は
「多数派」の可能性があると考えられ、
「超絶マイノリティ」ではないことを
示していると考えられます。
付記1:
最初のツイートの人は、なぜ結婚改姓
したくない人を「超絶マイノリティ」と
思ったのかを、わたしは知りたいです。
(「自分はそんな人を見たことがないから」
なんて理由ではないですよね?)
付記2:
最初のツイートは、2月4日-5日エントリで
ご紹介した、「黒猫亭」がリツイートした
選択的夫婦別姓に否定的なツイートのひとつです。
「選択的夫婦別姓がおもしろくないらしい」
「選択的夫婦別姓がおもしろくないらしい(2)」
「選択的夫婦別姓に間接的な妨害」
また、彼らには近づきたくない賛成派は多いと思いますので彼らは賛成派が増えたことに気付かないと思います。
たぶんそうだろうと思います。
彼ら反対派(非共存派)は多数派幻想が強く、
自分の思想や感性を多くの人たちが
共有すると信じている人たちです。
彼ら反対派(非共存派)は、選択的夫婦別姓に
賛成する人(=自分と異なる人)が
多いなんて考えられないでしょう。
>彼らには近づきたくない賛成派は多い
それもあると思います。
選択的夫婦別姓に賛成しているかたは、
積極的にくだんの反対派(非共存派)に
知られないようにするでしょう。
結婚改姓したくない女性はとくにです。
それゆえなおさらその反対派(非共存派)は、
賛成する人、結婚改姓したくない人の
存在に気づかなくなるというものです。