2020年02月09日

改姓したくない人はマイノリティか?

選択的夫婦別姓の実現を望むかた、
結婚改姓したくないかたを
「超絶マイノリティ」などというツイートです。

「そんなマイノリティの権利より経済だ」という
「優先順位論」で、選択的夫婦別姓を
矮小化してリベラルを叩くという、
よくありがちな論調です。

 

いくつか言いたいことはあります。
選択的夫婦別姓をのぞむかたは
「超絶マイノリティ」という認識に
異議があるので、ここではこれをお話します。


2016年のはじめごろに行なわれた
20-30代の首都圏勤務の女性対象の
ウートピのアンケートでは、選択的夫婦別姓が
実現したら、夫婦別姓(非改姓結婚)を
選択すると答えたかたは63%でした。

「非改姓結婚希望が6割以上」

夫婦別姓が可能になったら、あなたは?

女子校の小論文の課題で、選択的夫婦別姓に
ついて出したら、7割ほどの生徒が
「結婚改姓したくない」と書いた
という報告もあります。

「夫婦別姓の希望は実は多数派?」


これらを見ていると、結婚改姓したくない人は
「多数派」かもしれないですよ?
「超絶マイノリティ」でないことはたしかでしょう。


実際に結婚改姓した女性を対象に
結婚改姓についての調査をしたところ、
改姓を喜んだ女性はいなかったのでした。
また改姓に対する疑問や不満のある
女性は結構たくさんいました。

「結婚改姓を喜ぶ女性はいないらしい」

改姓にあたっての感慨を尋ねたところ,
やはり多いのは「そういうものだと思った」
「特に 何とも思わなかった」というものであったが,
やはり当然のように女性が改姓しなければ
ならないことに疑問を感じていた人もいた.
そして非常に多かったのが「改姓はとても面倒だった」という意見である.
一方,「是非変えたいと思った」
「それこそ結婚の証だと思った」という程の
強い思い入れも見られなかった.
この点,学生など20歳前後の場合,とりわけ女性は
ロマンチック・ラブ概念が先行しているため,
改姓に一種の憧れもあるようだが,実際に婚姻を経験している
女性たちにはそれ程の思い入れもなかったようである.

この事実も、結婚改姓したくない女性は
「多数派」の可能性があると考えられ、
「超絶マイノリティ」ではないことを
示していると考えられます。



付記1:

最初のツイートの人は、なぜ結婚改姓
したくない人を「超絶マイノリティ」と
思ったのかを、わたしは知りたいです。

(「自分はそんな人を見たことがないから」
なんて理由ではないですよね?)



付記2:

最初のツイートは、2月4日-5日エントリで
ご紹介した、「黒猫亭」がリツイートした
選択的夫婦別姓に否定的なツイートのひとつです。

「選択的夫婦別姓がおもしろくないらしい」
「選択的夫婦別姓がおもしろくないらしい(2)」
「選択的夫婦別姓に間接的な妨害」


posted by たんぽぽ at 07:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
賛成派がいくら増えても、彼らは気づこうとしないと思います。
また、彼らには近づきたくない賛成派は多いと思いますので彼らは賛成派が増えたことに気付かないと思います。
Posted by あいうえお at 2024年03月01日 17:20
>賛成派がいくら増えても、彼らは気づこうとしない

たぶんそうだろうと思います。

彼ら反対派(非共存派)は多数派幻想が強く、
自分の思想や感性を多くの人たちが
共有すると信じている人たちです。

彼ら反対派(非共存派)は、選択的夫婦別姓に
賛成する人(=自分と異なる人)が
多いなんて考えられないでしょう。


>彼らには近づきたくない賛成派は多い

それもあると思います。

選択的夫婦別姓に賛成しているかたは、
積極的にくだんの反対派(非共存派)に
知られないようにするでしょう。
結婚改姓したくない女性はとくにです。

それゆえなおさらその反対派(非共存派)は、
賛成する人、結婚改姓したくない人の
存在に気づかなくなるというものです。
Posted by たんぽぽ at 2024年03月02日 11:03
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