2020年01月12日

神聖政治は理想の政治体制ではない

1月4日エントリの続き。

選択的夫婦別姓の反対派「Pちゃん」は、
「理想の政治体制は神聖政治」と言い出しました。
こんなことを言うとは思わなかったです。

 

「Pちゃん」は「それくらいわかってないの?」
などと言っています。
そんなのわかるわけないでしょう?
「Pちゃん」は中世から降ってきたのかと思います。



「神聖政治」が理想の政治体制などでは
まったくないことは、簡単にわかることです。
その政治体制が奉じる宗教を信じない
異教徒や無神論者にとって最悪だからです。


「神聖政治」は為政者が奉じている
宗教の教義にもとづいた政治が行なわれます。
その教義が教える規範を「正義」という前提で、
法制度が作られるということです。

それゆえ、その教義が教える規範を
共有しない異教徒や無神論者にとって
必要な法制度が作られないことがあります。
また彼ら異教徒や無神論者の受け入れられない
法制度を作られることがあります。

それどころか異教徒や無神論者は
それだけで「国の利益に反する」とされ、
弾圧されたり、体制の奉じる宗教への改宗を
迫られることにもなります。


政治と宗教が結びつくと、奉じている
宗教によって不公平や差別、抑圧、人権侵害が生じ、
「信仰の自由」に反することになります。
「神聖政治」は「信仰の自由」を保証できないわけです。

「信仰の自由」を保障するためには、
どの宗教を奉じている人でも、
また無神論者であっても、不公平や差別、
抑圧、人権侵害のないようにする必要があります。

よって「政教分離の原則」が絶対に必要です。
それが近代以降の「理想の政治体制」にとって、
最低限必要のことになります。


特定の宗教と政治がわかちがたく
結びついた「政教不分離」の政治は、
その宗教の信者にとっても好ましくない
政治が行なわれる可能性があります。

宗教の教える規範は、たいてい因襲・反動的です。
とくに家族やジェンダーに関して
因襲・反動的な傾向が強いです。
政教不分離のもとでは、「ジェンダー差別」が
温存され横行しやすいことになります。

また政教不分離の政治体制のもとでは、
その宗教のために仕事をする「聖職者」が
優遇されやすくなります。
彼ら聖職者の社会的地位が増大し、
特権的な立場を持つことになります。

政治と宗教がむすびついた「神聖政治」は
この観点からもまったく好ましくないです。
ジェンダー差別や不必要な特権階級を
作らないためにも、政教分離の原則を
つらぬくことが重要になります。


posted by たんぽぽ at 21:15| Comment(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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