2019年09月21日

国民の半数が反対しても選択肢はある

9月20日エントリの続き。

「おはよう東京」は、「アメリカ合衆国では
夫の苗字に改姓することを法律で
義務付けることを国民の半数以上が
支持している」などと言っています。

 


これはつぎの記事に出ている、
以下の記述のことを指していると思います。
9月13日エントリでご紹介した、
アメリカ合衆国では結婚改姓しない女性が
だんだん増えているという記事です。

「Women Still Prefer Taking Husband's Last Name」

And a recent nationally representative survey found that
half of Americans support women being legally required to
take their husband's name upon marriage.
These traditional attitudes persist even as divorce,
remarriage, gay marriage and blended families make naming more complex.


また最近の全国的な調査によると、
アメリカ人の半数以上が、女性は結婚したら
夫の苗字を名乗ることを法的に定めることを
支持していることがわかった。

離婚、再婚、同性結婚、連れ子のいる家庭などが
名前の問題を複雑にしているにもかかわらず、
このような因襲的な態度を主張している。


この調査はくわしいことがわからないですが、
おそらく男性や高齢者も回答していると思います。
女性だけにかぎると変わるかもしれないです。

2015年の日本の最高裁判決で、
夫婦同姓の強制が合憲とされたとき、
「日本人女性でなくてよかった」と批判した
アメリカの女性たちがいるからです。

「UNウィメンと最高裁判決」
「「男女が同じ選択肢を」 夫婦同姓、国連は改善勧告」

「日本人男性とは絶対結婚したくない」
「日本人女性じゃなくてよかった」。
昨年末、夫婦同姓の義務付けを合憲とした最高裁判決を受け、
米ニューヨークで働く女性からは非難と驚きの声があがった。
先進国の日本で「いまだに夫婦別姓が認められない
なんて信じられない」と口をそろえた。
結婚後も旧姓を当然のように使うニューヨークの女性に
同判決は「男尊女卑以外の何物でもない」と映る。


アメリカ人の半数が「女は結婚改姓して
夫の苗字を名乗るよう法律で定めるべき」と
考えていたところで、なんだというのかと思います。

かかる主張をしている人たちは、
「結婚した女は夫の苗字を名乗る」という、
因襲的な家族観に女性を従わせよう
というだけであり、のぞまない結婚改姓を
強要される女性の人権侵害になります。

国民の多数が人権侵害を支持しているから
といって、その人権侵害を肯定したり
法的に定めてよい理由にはならないです。
国民の多数が人権侵害を支持するなら、
法律で積極的に禁止する必要があるくらいです。


文脈から考えて「おはよう東京」は、
「女性が結婚改姓して夫の苗字を名乗ることの
法制化を他国の世論が主張しているから、
日本も同様に女性が結婚改姓する法制度を
続けるべきだ」と言いたいのでしょう。

他国の人権侵害になぜ日本がならう
必要があるのか、その理由がわからないです。
他国で人権侵害がなされているなら、
外国人としてはむしろ批判することです。

他国にならうことは、人権侵害をなくす
政策や活動を、他国がしているときです。
アメリカ合衆国に日本がならうことが
あるとしたら、「国民の半数が反対しても、
女性に結婚改姓しない選択肢がある」
ということになるでしょう。



posted by たんぽぽ at 22:45| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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