2019年07月27日

有能な人だけが夫婦別姓を選択?

選択的夫婦別姓に対して、みょうな被害者意識を
あらわにした人(反対派)がいます。

この反対派に言わせると、夫婦別姓を選択する人は
忙しくて有能なかたであり、夫婦同姓を選択する人は
暇人で無能扱いされるそうです。

 

忙しくて有能というのは、簡単に言えば
キャリアがあるかたのことなのでしょう。

職業上のキャリアがある場合、苗字が変わると、
それまで仕事でかかわってきたかたに、
同一人物と認識させることが難しくなるので、
仕事を続ける上で不利になります。
それゆえそうしたかたは結婚しても
苗字を変えないことを望むことは多いでしょう。


キャリアがあるかたは、かならず結婚改姓を
しないかというと、そうは決まっていないです。
わざわざ統計を使って証明するまでもない
とは思いますが、データを出してはおきます。

2015年3月に日経新聞が、働く既婚女性を対象に
選択的夫婦別姓の調査を行なっています。
働いているかたが対象ですから、
キャリアがあるかたばかりと考えてよいでしょう。

「働く既婚女性に別姓の調査」

「選択的夫婦別姓制度」についてどう思いますか 「選択的夫婦別姓制度」が導入されたらどうしますか

選択的夫婦別姓が導入されたら
どうしますか?という質問に対して、
「すでに同姓にしたので別姓にしない」が48.7%、
「別姓にしたくない」が18.9%です。

この中には不本意に結婚改姓して
それが既成事実化したかたもいると思います。
それでも一定の数のキャリアのあるかたが、
夫婦同姓を選択するとは言えるでしょう。
忙しくて有能なかたでも夫婦同姓を
選択することもあるということです。


キャリアがあってもさほど忙しくないし、
有能でもない人も(自認か他人から
思われているかはともかく)いるだろうと思います。
そんな人でも結婚して苗字が変わると困るから、
改姓したくない人もいるでしょう。

自分は暇人で無能だと思っていても
あるいは他人からそう思われていても、
夫婦別姓を選択することはできるし、
選択してもなんら問題ないことです。


そもそも結婚改姓したくない動機は、
職業上のキャリアにかぎったことではないです。
アイデンティティやプライバシーの問題、
家名の継承など、さまざまな事情があります。

「なぜ選択別姓(非改姓婚)が必要なのか?」

仕事で忙しいかどうか、有能かどうかだけが、
結婚改姓するのかしないのかを決める
判断基準ではないということです。


posted by たんぽぽ at 15:09| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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