日本の企業文化は妻が専業主婦の既婚男性に
有利に作られていることをお話しました。
「既婚男性に有利な日本社会」
ツイッター・モーメントに登場した
「四条烏丸(旧:もも281)」は、そうした既婚男性の
有利さが理解できない人のひとりです。
「四条烏丸」は「妻が専業主婦の男性」に
「女房と子どもを養うために会社にしがみつく」
というイメージを持っているようです。
@pissenlit_10 精神的にも独身は気楽でしょう。専業主婦が奥さんの場合、嫌なことあっても会社にしがみつかなきゃいけない。そう簡単に転職も出来ない。みな追い詰められてますよ。貴方が思われるように皆気楽に働くいてる訳ではない
— 四条烏丸 (@nanaarek20) 2015年3月8日
@pissenlit_10 一般的に妻帯者の人の転職はリスクありますよね。失敗したら自分のみならず妻や子供も路頭に迷う
— 四条烏丸 (@nanaarek20) 2015年3月9日
独立行政法人・労働政策研究・研修機構による
「子育て世帯全国調査」があります。
これを見ると妻が専業主婦である
既婚男性の年収は、600-800万円が25.2%、
800万円以上が21.9%となっていて、
これらの領域で全体の半分近くとなっています。
「子どものいる世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査2016(第4回子育て世帯全国調査)」
国税庁の発表している2014年の
民間給与実態統計調査を見ると、
男性の年収のボリュームゾーンは、
300-400万円(18.3%)と400-500万円(17.4%)です。
「サラリーマンの年収 > 年収階層分布図」
年収600-800万円は全体の14.3%、
800万円以上は全体の13.3%であることを考えると、
専業主婦世帯の男性の収入は
かなり高いほうということになります。
メインブログの2014年8月17日エントリで
お話しましたが、2014年7月31日の
日経新聞に出ている「民間給与実態統計調査」の
2012年分を見ると、夫の年収が高いほど
配偶者控除の利用率が高くなっています。
「配偶者控除、高所得者ほど恩恵 財務省」
年収200-300万円: 11.2%
年収500-600万円: 33.7%
年収1000-1500万円: 61.0%
配偶者控除を利用していることを
妻が専業主婦であるとみなすと、高収入の男性ほど
妻が専業主婦であることが多いことになります。
世代間問題研究プロジェクトが行なった
「くらしと仕事に関するインターネット調査」の
2011年の調査を見ると、夫の年収が高いほど
妻の第3号被保険者の割合が高くなります。
「専業主婦世帯は共働き世帯より経済的に恵まれているか」
第3号被保険者を専業主婦とみなすと、
ここでも高収入の既婚男性ほど、
妻が専業主婦の割合が高いことになります。
妻が専業主婦というのは、男性の片働きだけで、
かなりの収入がある必要があり、
いわば「裕福層」「小金持ち」ということです。
収入に余裕のある男性が妻を専業主婦にする、
というのが実際のイメージに近いでしょう。
「女房と子どもを養うために会社にしがみつく」という
イメージは、どこにあるのかと思います。
「養うためにしがみつく」必要がある程度の
年収の男性では、妻は専業主婦というのは難しく、
夫婦共働きが多いだろうと思います。
妻を専業主婦にして養えるのは、
ある程度以上年収の高い男性という
社会状況になって、だいぶ経つと思います。
もう広く定着している認識だろうと思います。
「子どもふたりの適正年収」
かつての野原ひろし=子持ちでマイホームとマイカー持ってる
— KAKERU (@BARKAKERU) 2014年12月16日
出世の目が出ないショボイおやじ
今の野原ひろし=子持ちでマイホームとマイカー持ってる
ちゃんと職を持った立派なお父さん。勝ち組
この20年
一体どれほどの経済的損失が発生したのかがうかがわれる。
そこへもってきて、専業主婦世帯の男性に対して
「養うために会社にしがみつく」なんて
イメージを描いているらしい
「四条烏丸(もも281)」は、
いったいなにを見ているのかと思います。
よくよく社会が見えていないか、
常識がないかのどちらかではないかと思います。
いつまでも55年体制時代の感覚から、
抜け出せないのかもしれないです。