2018年09月29日

若年層ほど夫婦同姓は多くない

9月26日エントリと9月28日エントリの続き。

「選択的夫婦別姓を認めない後進国」
「フランスに離婚は多くない」

この選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、
高齢層には夫婦別姓にする人たちが多かったが、
若年層は夫婦同姓の人たちが多い、などと言っています。

いったいどこの国のお話?と思いますが、
どうやらフィリピンなどアジアの国ぐにのことらしいです。

 


フィリピンでは2010年から選択的夫婦別姓が認められています。
結婚した女性が改姓するかしないかは、
選択であるという最高裁判決を受けたものです。
それまでは夫婦同姓か、妻は夫の名字と生来の名字を
つなぐ結合性のいずれかの選択でした。

「世界の夫婦別姓・2010年代の動向」
2010年に結婚した女性が改姓するかしないかは、
選択であるという判決を最高裁が下す。
「Miss, Ms, or Mrs? Philippine law on surnames for married women」

タイは2005年から選択的夫婦別姓が認められています。
従来は夫婦同姓が強制されていましたが、
2003年に憲法裁判所から違憲判決が下り、
夫婦別姓も選択できるよう家族法の改正となりました。

「タイ国の夫婦別姓法ようやく成立」
本件については、2000年8月にこの欄において、
夫婦別姓法がタイの国会で難航している旨おしらせしましたが、
そのときは結局男性議員の反対により否決されました。
しかし、近年再度この法案が上程され、ついに通過、
2005年1月19日付けの官報で公布され、
公布の翌日から施行されました。


フィリピンとタイでは、むしろ若い世代に夫婦別姓を
選ぶかたが多く、高齢の世代で夫婦別姓というかたは
少ないのではないかと考えられます。
最初のツイートの反対派の認識は正反対だと思います。

現在の高齢世代のかたが結婚するときは、
夫婦別姓を選択することができなかったのですから、
高齢世代に夫婦別姓のかたはいるはずがない、
夫婦別姓のかたは、法律を改正してから夫婦別姓を
選択できるようになった若年層にいる、ということです。

(両国とも選択的夫婦別姓が認められたとき、
すでに結婚しているかたで夫婦別姓に移行したかたが
どれだけいるかによって、高齢世代で夫婦別姓のかたが、
出てくることになります。)


シンガポールはむかしから夫婦別姓だけです。
よって高齢層も若年層も、みんな夫婦別姓です。
夫婦同姓の選択肢がないので選びようがなく、
「若い人ほど夫婦別姓が多い」なんて、最初のツイートの反対派が
思っているようなことはありえないです。

「夫婦別姓 各国の状況は? 」
シンガポール
1.自己の名+自己の姓
妻は、独立に自己の姓及び名を用いる権利を有する。


最初のツイートの反対派は「自分なりにAsiaを見て
来た上での確信を持った意見」などと言っています。


ところがこの人は「フィリピン、タイ、
シンガポールでは若い人ほど夫婦同姓が多い」なんて、
どう考えても事実と反することを言っています。

いったいなにを見てきたのかと思います。
本当にこれらの国ぐにの事情を見てきたのでしょうか?
なにも見ないででまかせを言っているだけではないのか、
と考えざるをえなくなってきます。



付記:

最初のツイートの選択的夫婦別姓の反対派は、
「192時間」がどうのわたしに言いがかりをつけた
「国籍を明らかにしない国会議員」発言の人と会話しています。
「お仲間」ということかもしれないです。




posted by たんぽぽ at 07:08| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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