減らしていたという、深刻なジェンダー差別に対して、
大学の前で抗議行動を起こしたかたたちがいました。
「「女性差別許さない」 東京医大前で100人、抗議行動」
(はてなブックマーク)
その抗議活動を見て「当事者性のかけらもない連中が
騒いでいる」などと言っている人がいます。
抗議活動がおもしろくないのはたしかなようです。
東京医科大の不正に抗議するフェミニストたちのデモがあったらしいんだけど、なんつーか、むしろ女性差別をいちばん喜んでいるのはフェミニスト活動家なんじゃないの?と思うほど連中は当事者性のカケラもない「差別です!」にピーピー騒ぎたがるよね。
— 朧 (@OB_RT) 2018年8月7日
このツイートの人は、抗議活動をしているかたたちは、
東京医科大の点数操作によるジェンダー差別を
喜んでいるのではないか、などと言っています。
喜んでなんかいないと思いますよ。
怒り心頭のかたはたくさんいるだろうと思いますが。
ジェンダー差別がなければ、こんな活動に労力を使わず、
ほかの仕事をすることができます。
むしろ「余計な負担を増やしてくれた」と、
思っているくらいだろうと思います。
自分と同じ属性に属する人たちが「その属性に属する」
という理由で差別されるのを喜ぶ人がいると、
最初のツイートの人は思っているのかと思います。
同じ理由で自分も差別される可能性があるということです。
すでにどこかで類似の経験をしていることもあります。
出てくる感情は、怒り、悲しみ、悔しさだろうと思います。
欧米に住む日本人が、日本人という理由で
差別されたとしたら、最初のツイートの人は、
「欧米で日本人が差別された」と言って喜ぶのかと思います。
最初のツイートの人は、抗議行動を起こしているかたたちに
「当事者性がない」のがお気に召さないようです。
フェミニズム活動の目的は、ジェンダー差別を
受ける当事者を、代弁することにあります。
彼女たちが受験生にかわって、東京医科大の点数操作を
抗議するのは、まったく当然のことになります。
この件に関する直接の当事者は受験生です。
その多くは未成年ですし、社会的発言力はとぼしいです。
だからこそ社会的発言力を持ったおとなが
代弁する必要があることになるでしょう。
点数操作による女子受験者の合格者数の抑制は、
東京医科大学にかぎったことではなく、
ほかの少なくない大学でもなされている可能性があります。
高校入試や企業の入社試験では、
もっと当たり前のように横行しています。
「点数操作で優遇される男性」
そう考えると、日本社会全体でなされている
ジェンダー差別のうち、氷山の一角として
東京医科大学の点数操作が問題になったと言えます。
よって大学受験生にかぎらず、抗議活動に参加している
女性たちも含めて、日本で生活する相当数の
女性が「当事者」ということになるでしょう。
付記:
最初のツイートの人は日本に住んでいるのでしょうか?
もしそうなら、欧米諸国で暮らしている日本人が
差別されても、黙ってなにもしないものと思います。
この場合の当事者は「欧米で暮らす日本人」であって、
「日本で暮らす日本人」ではないです。
最初のツイートの人は当事者性のかけらもないですから、
「日本人差別反対!」なんてぴーぴー騒がないでしょう。