2018年08月03日

夫婦別姓の希望が多数派の調査

「選択的夫婦別姓の賛成派は少数派である、
ゆえに賛成派は理解を得られるよう、
もっと根気よく説得しなければならない」という、
選択的夫婦別姓の反対派によくある主張です。

反論するポイントはいくつか考えられますが、
ここでは「賛成派は少数派」を取り上げたいと思います。
選択的夫婦別姓を希望する人は本当に少数か、ということです。

  


これについてはすでに何度かお話していますが、
2016年に行なわれた、ウートピのアンケートがあります。

「非改姓結婚希望が6割以上」

夫婦別姓が可能になったら、あなたは?

首都圏に勤務する20代と30代の女性を対象にしていますが、
選択的夫婦別姓が認められたら、夫婦別姓を選びたい
(非改姓結婚したい)かたが63%いたのでした。
これを見るかぎり、選択的夫婦別姓をのぞむ人は多数派です。


ウートピのアンケートを見た最初のツイートの反対派は、
「首都圏の偏っているかもしれない層」と言ってきました。
「偏っているかもしれない」にトーンダウンです。


ウートピの調査が深刻に偏っているとは思わないです。
回答したかたは一般的な会社員や公務員が多いと思います。
取り立てて特殊な立場の人が多いことはないでしょう。
首都圏はネットユーザが多いですから、
地方で行なうより幅広く回答が得られるとも言えます。


女子校の小論文の課題で、選択的夫婦別姓を出したら、
7割ほどの子が結婚改姓したくないと書いたこともあります。
小学一年生の子どもたちが、結婚改姓したくないから
結婚しないとこぞって言ったお話もあります。

「夫婦別姓の希望は実は多数派?」


「ねっ、そういう風に大人になって結婚すると、
みんなも名前が変わるんだよ」と、私が軽率な言葉を口にしたとたん、
クラス中から一斉に「ヤダー!」の大合唱が。
しかも、先に声を上げたのは、みんな男の子たちです。

(えっ、男の子は名前は変えなくて大丈夫なのに...)と
私が心の中で思っていると、ちょっとオシャマな女の子が、
「だから、アタシ、結婚なんてしないの」と、毅然と胸を張ります。
これを耳にした周りの子たちも、「じゃあ、ボクもしない」「私もしない」と、
この日の給食は結婚拒否発言の嵐で幕を閉じました。

これらのことはウートピのアンケートが
あながち偏っていないことを示す傍証とも言えます。


ウートピのアンケートの回答者は、20代と30代の女性です。
現在もしくはこれから結婚する人たちです。
選択的夫婦別姓の問題にもっとも現実味があり、
当事者性の高い人たちだけが回答しているのですから、
精度はかえって高いかもしれないです。

そう考えると、男性や高齢者まで回答している
内閣府の世論調査のほうがかえって
「偏っている」と言っていいくらいだと思います。

「家族の法制に関する世論調査」
「家族の法制に関する世論調査(2)」


最初のツイートの反対派は「首都圏勤務の人だけが対象では
偏っているかもしれない」と、また言ってきました。


首都圏に勤務している人と、ほかの地方で勤務している人とで、
結婚と苗字の問題に対して、アンケート結果に
深刻な影響が出るほど大きく考えかたや
スタンスが異なるとは、さすがに思えないです。

ほかの地方と首都圏とで、大きく異なると
考えられる積極的な理由がないのですから、
日本全国どこでこのアンケートを取っても
ほぼ同じような結果になると考えておくのが、
もっとも無難であり実証的な態度です。



そこまで言うなら「首都圏勤務のかたと
ほかの地方に勤務のかたとで、結婚と苗字の問題に対して、
大きく考えかたが異なると考えられる、
積極的な理由」をあなたが提示することです。

「積極的な理由」を提示できないなら、
あなたは根拠もないのに、ウートピのアンケートを
「偏っている」と裁断したことになります。


この選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)は、
結局かかる「積極的な理由」を出さずじまいでした。


posted by たんぽぽ at 23:31| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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