アンケートで、選択的夫婦別姓が認められたら
夫婦別姓(非改姓結婚)を希望するかたが
63%もいたことを、前にお話したことがあります。
「非改姓結婚希望が6割以上」
調査対象は「20-30代の首都圏で働く女性」です。
回答者はおそらく未婚、既婚の両方だと思います。
結婚が目の前の現実の問題である女性にかぎるので、
非改姓結婚の希望が多くなるのでしょう。
この「非改姓結婚(夫婦別姓)の希望が63%」というのは、
リアリティのある数字だという指摘があります。
女子校の選択的夫婦別姓について小論文を
書かせたところ、7割くらいの生徒が
「結婚改姓したくない」と書いていたのでした。
この数字、ものすごくリアリティがある。2年前に小論文で「選択的夫婦別姓」について書かせたら生徒はなぜか「選択的」を落として改姓しないメリットを論じてたけど、7割くらいの子が改姓したくないって書いた。(女子校) https://t.co/rWFKbknovf
— 3a8(ab) (@saya_fairyland) 2018年7月3日
女子校の課題として出したものですから、
生徒の数は数十人から百数十人くらいと考えられます。
よって「結婚改姓したくない子が7割」というのは、
じゅうぶん統計的な人数がいると考えてよいでしょう。
はっきり「改姓したくない」と書かなかった中にも、
結婚改姓したくない子がいる可能性を考えると、
さらに改姓したくない子は多くなります。
そうなると結婚改姓したくない人は、
若年女性を対象にした場合、実はどこで調査しても
だいたい6-7割程度であることが考えられます。
ウートピのアンケートは取り立てて
偏っているのではないということです。
ほかの調査、たとえば内閣府の世論調査を見ると、
夫婦別姓(非改姓結婚)を希望するかたは、
全体の15-20%程度と考えられます。
それゆえ夫婦別姓の希望者は「少数」であり、
ほとんどの議論において選択的夫婦別姓の実現は、
「少数派の権利の問題」として語られます。
「家族の法制に関する世論調査」
「家族の法制に関する世論調査(2)」
内閣府の世論調査は、男性や高齢層も回答しています。
そして女子校に通う高校生や中学生は回答していないです。
夫婦別姓(非改姓結婚)を希望するかたは
全世代、全ジェンダーを対象にするから
「少数派」になるのであって、若年女性にかぎると
じつは多数派ということも考えられます。
なぜ若年女性にかぎると、夫婦別姓(非改姓結婚)を
希望するかたが多くなるかという問題があります。
ひとつはジェンダー平等教育の浸透が考えられます。
女性が当たり前のように結婚改姓することに
疑問を持つかたが多くなったということです。
また事実婚や通称使用の浸透により、
夫婦別姓のロールモデルが増えたことが考えられます。
身近に夫婦別姓をなさっているかたがいることで、
発想を与えることになるということです。
そら、我々の年代よりもっと男女平等の教育を受けていたら「?何で結婚となったら女が改姓するのだ?」
— わんわん (@wanwan_nz) 2018年7月3日
にもなろうかと思うね。
あとね、ロールモデル。勤務先、通称使用の先生多いから、おそらくそれも含めての別姓希望じゃないかな。
— 3a8(ab) (@saya_fairyland) 2018年7月3日
そうした状況にあって、選択的夫婦別姓がいつまでも
認められないまま、訴訟やら国際条約やらで
夫婦別姓が話題になるたびに、問題意識を持つようになり、
結婚改姓したくないという気持ちを
強めていくのではないかと、わたしは想像します。
畑恵氏がいっしょに給食を食べた小学一年生の子どもたちが、
こぞって「結婚改姓したくない」と言ったお話がありました。
(そしてこの子どもたちは「だから結婚しない」という、
おとな顔負け(?)の非婚宣言もします。)
「結婚改姓が嫌な子どもたち」
「ねっ、そういう風に大人になって結婚すると、
みんなも名前が変わるんだよ」と、私が軽率な言葉を口にしたとたん、
クラス中から一斉に「ヤダー!」の大合唱が。
しかも、先に声を上げたのは、みんな男の子たちです。
(えっ、男の子は名前は変えなくて大丈夫なのに...)と
私が心の中で思っていると、ちょっとオシャマな女の子が、
「だから、アタシ、結婚なんてしないの」と、毅然と胸を張ります。
これを耳にした周りの子たちも、「じゃあ、ボクもしない」「私もしない」と、
この日の給食は結婚拒否発言の嵐で幕を閉じました。
「結婚改姓したくない(夫婦別姓を希望する)」と
いうかたは、今後ますます多くなることが考えられます。