2018年07月14日

夫婦別姓の希望は実は多数派?

2016年のはじめに行なわれたウートピの
アンケートで、選択的夫婦別姓が認められたら
夫婦別姓(非改姓結婚)を希望するかたが
63%もいたことを、前にお話したことがあります。

「非改姓結婚希望が6割以上」

調査対象は「20-30代の首都圏で働く女性」です。
回答者はおそらく未婚、既婚の両方だと思います。
結婚が目の前の現実の問題である女性にかぎるので、
非改姓結婚の希望が多くなるのでしょう。

 
夫婦別姓が可能になったら、あなたは?


この「非改姓結婚(夫婦別姓)の希望が63%」というのは、
リアリティのある数字だという指摘があります。
女子校の選択的夫婦別姓について小論文を
書かせたところ、7割くらいの生徒が
「結婚改姓したくない」と書いていたのでした。


女子校の課題として出したものですから、
生徒の数は数十人から百数十人くらいと考えられます。
よって「結婚改姓したくない子が7割」というのは、
じゅうぶん統計的な人数がいると考えてよいでしょう。

はっきり「改姓したくない」と書かなかった中にも、
結婚改姓したくない子がいる可能性を考えると、
さらに改姓したくない子は多くなります。

そうなると結婚改姓したくない人は、
若年女性を対象にした場合、実はどこで調査しても
だいたい6-7割程度であることが考えられます。
ウートピのアンケートは取り立てて
偏っているのではないということです。


ほかの調査、たとえば内閣府の世論調査を見ると、
夫婦別姓(非改姓結婚)を希望するかたは、
全体の15-20%程度と考えられます。
それゆえ夫婦別姓の希望者は「少数」であり、
ほとんどの議論において選択的夫婦別姓の実現は、
「少数派の権利の問題」として語られます。

「家族の法制に関する世論調査」
「家族の法制に関する世論調査(2)」

内閣府の世論調査は、男性や高齢層も回答しています。
そして女子校に通う高校生や中学生は回答していないです。
夫婦別姓(非改姓結婚)を希望するかたは
全世代、全ジェンダーを対象にするから
「少数派」になるのであって、若年女性にかぎると
じつは多数派ということも考えられます。


なぜ若年女性にかぎると、夫婦別姓(非改姓結婚)を
希望するかたが多くなるかという問題があります。
ひとつはジェンダー平等教育の浸透が考えられます。
女性が当たり前のように結婚改姓することに
疑問を持つかたが多くなったということです。

また事実婚や通称使用の浸透により、
夫婦別姓のロールモデルが増えたことが考えられます。
身近に夫婦別姓をなさっているかたがいることで、
発想を与えることになるということです。


そうした状況にあって、選択的夫婦別姓がいつまでも
認められないまま、訴訟やら国際条約やらで
夫婦別姓が話題になるたびに、問題意識を持つようになり、
結婚改姓したくないという気持ちを
強めていくのではないかと、わたしは想像します。


畑恵氏がいっしょに給食を食べた小学一年生の子どもたちが、
こぞって「結婚改姓したくない」と言ったお話がありました。
(そしてこの子どもたちは「だから結婚しない」という、
おとな顔負け(?)の非婚宣言もします。)

「結婚改姓が嫌な子どもたち」

「ねっ、そういう風に大人になって結婚すると、
みんなも名前が変わるんだよ」と、私が軽率な言葉を口にしたとたん、
クラス中から一斉に「ヤダー!」の大合唱が。
しかも、先に声を上げたのは、みんな男の子たちです。

(えっ、男の子は名前は変えなくて大丈夫なのに...)と
私が心の中で思っていると、ちょっとオシャマな女の子が、
「だから、アタシ、結婚なんてしないの」と、毅然と胸を張ります。
これを耳にした周りの子たちも、「じゃあ、ボクもしない」「私もしない」と、
この日の給食は結婚拒否発言の嵐で幕を閉じました。

「結婚改姓したくない(夫婦別姓を希望する)」と
いうかたは、今後ますます多くなることが考えられます。


posted by たんぽぽ at 23:18| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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