2018年07月07日

教育の機会のジェンダー差

7月1日エントリと7月4日エントリの続き。

「東大学生のジェンダー研究の意義」
「東大以外の学生のジェンダー比」

東京大学に女子学生が少ないことを国際学会で
発表したことに対して「なぜ東京大学を
取り上げるのか」と突っかかってきたかたは、
すべての大学の学生のジェンダー比を国際比較した図を
わたしがお見せしたら、それは納得したようです。

 
今度は「教育を受ける機会にジェンダー差が
あるとは思えない」と言ってきました。
ジェンダー差でしたら、しっかりあると思います。


教育に関する経済的リソースは、
男の子を優先にする家庭はまだまだ多いと思います。
娘と息子がいたら、息子にだけ大学に入れる、
ひとりっ子の場合、息子ならちょっと無理してでも
大学に入れるが、娘なら諦めてもらうなどです。

「大学進学率のジェンダー比較」



お金以外でも女子は男子より制約がかかりやすいです。
男の子なら浪人することを認めるが、
女の子は浪人を認めないという親や周囲のおとなは、
結構いるのではないかと思います。

男の子は実家から遠く離れた大学に入って、
独り暮らしをすることもあまり抵抗なく認められますが、
女の子は独り暮らしが認められず、自宅から通える大学に
入らざるをえなくなることも多いと思います。

ベネッセの「大学生の学習・生活実態調査」によると、
実家暮らしの大学生は「男子<女子」、
独り暮らしの大学生は「男子>女子」となっています。
大学は東京や大阪の大都市圏に集まっていることを考えると、
自宅から離れた大学に入りにくい女子は
それだけ大学進学に不利ということです。

「居住形態、通学時間」

居住形態(全体・性別)


『世界価値観調査』によると「大学教育は女子よりも
男子によって重要である」という設問に対して
「賛成」および「強く賛成」と答えたかたの割合は、
欧米の民主主義国に比べて日本は高くなっています。

このような社会通念が蔓延していることも、
女子の大学進学への機会を狭めているでしょう。

「大学教育のジェンダー観の国際比較」

「大学教育は女子より男子にとって重要である」と考える割合


日本の大学進学率は、国際的に見ると「男子>女子」である
ほぼ唯一の国ですが、都道府県レベルで見ると
徳島県だけ「女子>男子」になっています。

「徳島の女子の大学進学率」
「Vol.65 大学進学率49.3パーセント」

この理由はひとつに、徳島は県の人口のわりに
大学の定員が多いことがあります。
地元で大学に入りやすいということです。

上述のように、女子は地元から通える大学でないと
入りにくいことがあるので、地元で大学に入りやすいことは、
女子の大学進学を高くすることになります。

日本では徳島県だけ、大学進学率は女子のほうが
男子より高いことが、教育に対するリソースは
女子より男子のほうが割かれやすいというジェンダー差が
あることを示していると思います。



付記:

日本の都道府県別の大学進学率のジェンダー差。

「県別・性別の大学進学率(2015年春)」

2015年春の都道府県別の大学進学率(%)


posted by たんぽぽ at 21:17| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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