反対派(非共存派)は、夫婦同姓は日本の伝統という、
反対派に典型的な認識をお持ちのようです。
しかもその「夫婦同姓の伝統」は、日本が島国ゆえに
守られたとさえも思っているようです。
ここまでくると、あまりほかでは見られない奇異的な主張、
ということになるかもしれないです。
(それともわたしが知らないだけで、
同じようなことを言う「ネトウヨ」は多いですか?)
別姓なら、結婚する意味がわからない。中国や韓国とは文化が違いますので。中国や韓国と同じにしないでほしいです。
— 蓮舫二重国籍は国法違反です。 (@yn_khm) 2018年6月15日
陸続きでなかったから、守られてきた伝統もたくさんあるんですよ。
— 蓮舫二重国籍は国法違反です。 (@yn_khm) 2018年6月15日
天皇だって、世界で一番長い歴史なんですよ。
日本が現在のように夫婦同姓となったのは、
明治の後半にヨーロッパの家族法にならった
家族制度を民法で定めたことによります。
ここには不平等条約を撤廃するために、
欧米風の法律を整備する必要があったことが大きいです。
「日本で夫婦同姓になった起源」
「夫婦同姓は日本の伝統?」
明治のはじめに近代的な家族制度を定めたときは、
「名字は出自を表す」ということが政府の見解でした。
結婚改姓という考えがなく、夫婦別姓が原則だったと言えます。
foreさん笑。
— nana (@nana77rey1) 2018年6月15日
えーっとあともう1つ大きな誤解されてます。夫婦同姓は「日本の文化」これも違います。
日本は夫婦別姓の国でした。画像は法務省のサイト。
明治31年にドイツやら欧米の法を真似て導入したのが、現在の夫婦同氏です。 pic.twitter.com/lGkDAjHz9B
現在の夫婦同姓は日本の伝統でもなんでもないです。
欧米風の法整備のために、日本の伝統を捨てたくらいです。
日本が大陸と地続きでないことも、もちろん関係ないです。
明治時代は積極的に欧米諸国の文化を
取り入れようとしていましたから、地理的隔離なんて
文化の流入が遮断される原因にはならないでしょう。
現代の日本が夫婦同姓の強制を執拗に続ける精神構造として、
「同調圧力、集団主義」と「ジェンダー差別」があります。
「島国だから守られた」のは、これらのことでしょうか?
実際「地理的隔離」で説明しようと思えばできます。
日本は島国で地理的に隔離されているため、
外国人が入ってくる機会が少なく、
それが異質なものに対する強い抵抗という、
排他的な精神構造を作ることになりました。
またかぎられた狭い島の中で、みんなで同じようにすることが、
社会を維持する上で得策と考えられてきました。
まさに大陸と地続きでないという地理的隔離が、
日本人の「同調圧力」と「集団主義」を作ったことになります。
日本人は異質なものを排斥し、みんなで同じにするという
社会をずっと続けてきたため「均一社会」となりました。
(より正確には「均一社会だと思うようになった」だと
思いますが、ここでは「実態」より「意識」が問題。)
一般に社会の中に少数異民族の存在が目立つときは、
その異民族に対する差別が顕著になる傾向があります。
少数異民族の存在が社会に意識されなくなると、
ジェンダー差別が顕著になる傾向があります。
ヨーロッパで魔女狩りがもっともさかんに
行なわれていた時代は、実は16-17世紀でした。
なぜこんな比較的新しい時代に?それも理性の時代の
ルネッサンスよりあとに?と思うところです。
「魔女裁判/魔女狩り」
その原因のひとつには、それ以前の時代までにユダヤ人を
迫害してほとんどいなくなっていたことがあります。
少数異民族が社会の中に目立たなくなったので、
ジェンダー差別に矛先が向かったということです。
日本はずっと「均一社会」だと思われ、
社会の中における少数異民族が意識されなかったのでした。
それで差別のほこさきはジェンダー差別、
すなわち女性に対する差別に向かうということです。
日本のジェンダー差別のもとである「均一社会」は、
地理的に隔離されていたゆえの、同調圧力と集団主義です。
よって日本のジェンダー差別も、もとをたどれば
「日本が島国だったから」ということになります。
「地理的隔離ゆえの日本社会の均一性」なんて、
古典的な日本人論ではあると思うし、
ステレオタイプな感じもするだろうと思います。
それでもそれほど飛躍した議論でもないと思いますよ。
選択的夫婦別姓の反対派やネトウヨが持ち出す
怪しげな議論よりは、問題なく妥当性が高いと思います。