2018年06月14日

おたがいの愛?一方的な愛ですよ?

「おたがいに愛しているから夫婦同姓」。
選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)の中には、
ときどきこんなことを言う人がいると思います。

この「おたがい」は少し考えるとおかしいことがわかります。
同じ苗字になるためになにかする(結婚改姓する)のは、
夫婦のうちの一方だけ(通常女性)だからです。

苗字に関してなにかすることで「愛を示す」というなら、
ここで「愛を示す」のは改姓するひとりだけです。
改姓しないほうはここでは愛を示さないことになります。
よって「おたがいの愛」ではないです。

 


「自分が改姓する」なら「自分だけから相手に捧げる愛」です。
この点に関して相手はなにもしていないです。
よってそれを「おたがいの愛」なんて言わなくていいし、
また言わないほうがいいと思います。

「相手に改姓させる」なら「相手にだけ一方的に要求する愛」です。
相手だけが改姓して自分はなにもしないのですから、
それを「おたがい」と言うのは、独善や欺瞞になるでしょう。

とくに選択的夫婦別姓の反対派で男性の場合、
自分は改姓する気はなく、結婚相手の女性に改姓させて
夫婦同姓となることを当然と考えていると思います。
そのような彼らが「おたがい」などと表現するのは、
独善と欺瞞がいっそうきわまることになります。


「夫婦同姓だと愛がない」と言いたいのでは、もちろんないですよ。
夫婦同姓はどちらかひとりにだけ改姓を要求するのに、
それを「おたがい」というから異議があるということです。

結婚後の苗字の問題で「おたがいの愛」を主張するなら、
夫婦新姓にして夫婦両方で新しい苗字に改姓するか、
夫婦ともに改姓しない夫婦別姓になるでしょう。
苗字に関するアクションが、夫婦で同じで「おたがい」です。

夫婦別姓や夫婦同姓でも自分が改姓することに
納得いかない選択的夫婦別姓の反対派は、
「おたがいの愛があるから夫婦同姓」などと言わないことです。
夫婦同姓の「おたがいの愛」は苗字以外のところに
あることを認める必要があるでしょう。



付記:

最初のツイートの反対派(非共存派)は、
6月13日エントリでご紹介の、選択的夫婦別姓の導入を
後進国のまねだと信じているかたです。

「結婚後の苗字・真の後進国はどこか?」



posted by たんぽぽ at 22:48| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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