女性が主体的に生きられず、経済的に自立できない、
という主旨の指摘をわたしがすると、
それはキャリアウーマンのアイデンティティと
矛盾している、などと言ってきました。
どういうことかよくわからないです。
1. 日本にはキャリアウーマンはわりとたくさんいる、
2. 日本ではキャリアウーマンになるか、
専業主婦や非正規雇用従事者になるかは、女性が主体的に選択できる、
という認識が背景にあるのではないかと考えられます。
まず女性が主体的に経済的に自律して生きられない社会という現状認識は今現在活躍されてるキャリアウーマンの方々のアイデンティティと矛盾しています。主体的に生きられるのに7割の働く女性は主婦となる事を望んでいるのが日本の現状です。
— chalrotterant(シャル) (@chalrotterant1) 2018年2月24日
キャリアウーマンはどれくらいいるかですが、
女性管理職の割合はその指標になっていると思います。
日本の女性管理職の割合は9%程度です。
欧米の民主主義国の多くは30-35%程度です。
管理職になれる女性は、日本は他国より問題なく少ないです。
キャリアウーマンになれることが女性が主体的に
生きられることを示しているとするなら、日本で主体的に
生きられる女性は「少数の特例」になります。
「専門職と管理職の女性比率」
専門職・管理職の女性比の国際比較図。フィリピンはスゴイな。双系社会だからか。日本と韓国は仲良しの位置。 pic.twitter.com/cDVQ6NvDf3
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014年4月17日
日本は他国と比べても、とりわけ雇用形態と
婚姻やジェンダーがわかちがたく結びついています。
この現状が、日本において女性が主体的に
生きる選択をすることを妨げていることになります。
「結婚・ジェンダーと雇用問題」
性別と働き方の関連性が日本は特に強いことを、
岩上真珠氏の論文は海外との比較によって明らかにしている。
韓国やイタリアは性別規範の強い国として有名だが、
これらと比べても日本は性別と雇用形態の結びつきが強い。
男性は未婚、女性は既婚に非正規雇用が多い
といったように婚姻と雇用形態の結びつきも強い。
女性は妊娠や出産をすると、本人の意に反して
非正規雇用にしかつけないことが多いです。
本人の希望をまったく無視して、非正規への配置換えを
一方的に会社が決め、本人がそれに抗議すると
「あんたは会社の言うことを聞かないからクビ」です。
とても女性が主体的に生きているとは言えないです。
「出産でパートに回される」
「ガラスの天井:女性と仕事/1 「産後はパート」上司が強制」
あくまで正社員での復職を望むチエさんに、
上司は「パートしかない」の一点張り。
主張し続けていると、退職勧奨が始まった。
拒否すると、今度は解雇通知が届いた。
これが特例でなく日本では一般的に見られることは、
女性はどの年代も未婚者は正規雇用のほうが多いこと、
すなわち女性は結婚すると非正規雇用が
多くなることが示していると思います。
「就労形態と未婚率の関係」
正規・非正規別の未婚率年齢曲線。男性は非正規の未婚率が高い。私の年齢層(30代後半)では,40ポイント近くもの差がある。一方,女性はその反対。正社員のほうが未婚率が高いのですな。こういうジェンダー差がみられる社会って,他にあるんか。 pic.twitter.com/f5hAmd2MtW
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014年1月13日
正規雇用にかぎっても、女性は未婚者より
既婚者のほうが年収水準が低くなります。
正規雇用でも女性は妊娠や出産をすると、
企業で責任あるポストにつけないということだと言えます。
女性は企業の中で意思決定のできる
立場につくことができず、男性がずっと意思決定して、
女性はその下で働き続けるということです。
「女は結婚で年収が減る」
女性正社員の年収分布。未婚者と既婚者の比較。同じ正社員の女性でも,未婚者のほうが高い。扶養控除を得るため,収入を低く抑える者もいるだろうが,結婚・出産に伴うハンディの表れとも読める。 pic.twitter.com/kFtNqnHz2k
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2014年1月5日
日本は女性が主体的に生きられない社会だと
言わざるをえないと思いますよ。