2018年05月06日

選択的夫婦別姓・15年前の悪夢

福田康夫元首相が、選択的夫婦別姓の導入に関して、
肯定的で前向きなことを述べています。

「福田元首相「夫婦別姓、女性の働きやすさには必要かも」」
(はてなブックマーク)

将来の人口減少に対して、女性が働きやすい環境を
作る必要があり、そのためにジェンダー政策が必要なこと、
そしてそのひとつに選択的夫婦別姓がある
ということに言及しています。

数ある政策の中で選択的夫婦別姓の実現を、
具体的な例をしてあげたことは大きいでしょう。

 
そうじゃない前向きの女性対策を考えていかなければいけない。
たとえば夫婦別姓制度、これは15年ぐらい前に議論した。
あの頃はね、議論はしたけども、日本人はそういうことは
ダメなんだと一蹴されましたけど、
しかし、こういうことも女性が働きやすい環境をつくる
ということになれば必要かもしれない。

15年前はまさに自民党の選択的夫婦別姓の
推進派の活動が盛んだったころでした。
そして頑迷きわまりない反対派の活動も盛んでした。

自民党は政府提出予定の法案を、国会に提出する前に、
法務部会という党内会議で議論します。
この部会で反対派議員による強烈な反対を受けたので、
選択的夫婦別姓法案を国会に提出することは、
ついになかったのでした。


選択的夫婦別姓法案の議論のために、
部会に出てきた反対派議員の態度はすさまじいです。
はなからけんか腰だったり、「反対派はひまだと言うのか」
なんて因縁をつけたり、地元の支持者を楯に取って、
会議をやめさせようとしたりします。

「自民党法務部会の実態 民法改正法案提出阻止の現場」
「国会で議論しないのはなぜか?」

「推進派のだれが何を言うか、もう顔を見ただけでわかる」
なんて、自分が党内ヒエラルキーで上位にあることを利用して、
一喝して一同を黙らせるのもいます。

「オレの目の黒いうちは、別姓など絶対に許さない」
なんて反対派の頑迷きわまりなさを象徴する発言が
出てきたのも、この法務部会においてです。

「反対派と議論すると... パラノイア的精神状態」


選択的夫婦別姓に反対を続ける強大な組織、
日本会議の活動が盛んだったのもこのころです。
選択的夫婦別姓問題に集中して取り組むための、
「日本女性の会」を結成します。

「反対派の抵抗 反対派たちの集団ヒステリー」
「日本会議・別姓反対小史」

日本女性の会は、第154回国会に選択的夫婦別姓に
反対する署名を提出しますが、54000程度だったものを
180万といつわって発表したのでした。

02年までに、日本会議は181万を超える署名を集め、
自民党議員に反対を表明するよう働きかけ、189人の議員署名を集めた。

「夫婦別姓制度の導入を図る民法改正反対に関する請願」

夫婦別姓制度の導入を図る民法改正反対に関する請願


選択的夫婦別姓の推進派の議員の事務所に
大量の攻撃的ファックスを送ったのもこのころです。

http://www.sasaki-law.com/memberof/concern5.htm
臨時国会での審議開始後、これまでは激励メールだけだったのが
その量をはるかに超えて(大部分は組織的活動と思える)
反対ファックスが私の所にも毎日それこそ山のように送られてきました。
反対意見の多くは、議員のそれと同様、残念ながらかなり感情的です。

理由は大体以下に要約できるようです。
少年非行の増加、学級崩壊などの中、家庭が崩壊する危険性。
子どもが可哀相。日本の伝統文化を守れ。
あるいは夫婦別姓=フェミニズム・共産党。即刻自民党を辞めて
共産党に行け、という過激な(!)ものもありました。

180万の署名が効いたのか、大量ファックス攻撃が
効いたのか、自民党内の選択的夫婦別姓の
推進派の議連にいた45人の議員のうち、
12人が議連から離脱することになったのでした。

その結果、「自民党内に45人いた
『別姓推進派』から12人が脱退した」という。


福田康夫は「日本人はそういうことは
ダメなんだと一蹴されました」とさらりとひとことで
述べていますが、その実態はこのように
壮絶なものだったということです。


posted by たんぽぽ at 08:09| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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