2018年04月15日

夫婦別姓が多数派になる危惧?

選択的夫婦別姓を導入すると、夫婦別姓を選択するかたが
多数になることを「危惧」するかたがいます。




 
このかたは次のように夫婦別姓を望ましくないもの、
そして夫婦同姓こそ望ましいものと考えています。
それゆえ夫婦別姓が多数になることを問題視するのでしょう。


さらに選択的夫婦別姓の推進派は、夫婦別姓を選択する人を
多数派にしようとしているとも言っています。
「推進派はそれを隠している」なんて、みょうな邪推もしています。
それくらい夫婦別姓が多数になることを危惧しているようです。



夫婦別姓は、同性愛者やエスニシティのような
生まれつきの変えられない属性ではないので、
多数派になることは原理的に可能ではあります。

それでも現在の日本で選択的夫婦別姓が
認められた場合、夫婦別姓を選択するかたが
多数になる可能性は、あまり高くないと思います。
2月10日に発表された内閣府の世論調査を見ると、
夫婦別姓を選択するかたは、15-20%程度と推測されます。

「家族の法制に関する世論調査」
「家族の法制に関する世論調査(2)」

2016年1月ごろのウートピのアンケートを見ると、
選択的夫婦別姓が認められた場合、自分は夫婦別姓を
希望するというかたは、全体の63%でした。
これは首都圏在住の20代と30代の女性が対象です。
条件をある程度限定すると、夫婦別姓を選択する人は
多数派になることは考えられるでしょう。

「非改姓結婚希望が6割以上」


選択的夫婦別姓の推進派の目的は、
夫婦別姓(双方が非改姓結婚)を選んで婚姻届けを出せる
という、自分たちの権利が認められることです。
夫婦別姓を選ぶかたを多数にしたいと
考えているかたは、おそらくいないと思います。

なんの問題でもそうですが、マイノリティの目的は
あくまで自分たちの権利が認められることです。
マジョリティになるために活動するマイノリティはいないでしょう。
自分たちがマジョリティになれれば、
それに越したことないくらいは、思っていると思いますが。


最初のツイートのかたに関しては、夫婦別姓を選択する人が
多数になったところで、いったいなにが問題なのか、
という疑問が出てくることになります。


選択制ですから、いくら夫婦別姓を選択する人が
多くなったところで、夫婦同姓を選択したいなら
問題なく選択できるし、選択すればいいだけのことです。
夫婦別姓と夫婦同姓のどちらが少数になっても、
選択肢があるのが「選択的夫婦別姓」です。

最初のツイートのかたは、夫婦別姓を選択する人が
多数になる理由として、夫婦別姓には合理性や
利便性があるからと、考えているらしいです。
(元のツイートはすでに削除されている。)
それならその多数にとって合理性や利便性がある選択を
認めないのはなぜか、という疑問が出てきます。


夫婦別姓を選択する人が多数になるということは、
選択的夫婦別姓は多数派が望んでいるということです。
国民の多数から支持と要求をされるのですから、
なおさら選択的夫婦別姓を導入する必要があるでしょう。



最初のツイートのかた、自分を含めた夫婦同姓を選択する人が
少数派になるのが嫌だ、ということかもしれないです。
「夫婦別姓がいい」「夫婦同姓がいい」の前に「多数派がいい」です。


つねにマジョリティの選択をしていれば、
自分のあたまで考える必要があまりなくなるので、
いろいろと楽だということかもしれないです。

そんなに多数派がいいなら、夫婦別姓が多数になったら、
ご自分も夫婦別姓を選択すればいいと思うところです。
夫婦別姓を選択してまで多数派になりたいとは思わない、
その程度に夫婦別姓に対する抵抗はある、
ということなのだろうと思います。


posted by たんぽぽ at 19:18| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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