2018年03月24日

専業主婦希望が多いという調査

3月20日エントリで、「安定した結婚生活が
保証されてるなら仕事を辞めたいという女性の方が
圧倒的に多いと思う」と考えているかたをご紹介しました。

このような認識を持つかたが出てくる
原因を作っていそうな調査があるらしいです。
TesTeeという会社が行なっている調査で、
女性のみを対象としたアンケートです。

「ある職業の女性のなんと80%以上が専業主婦になりたいと思っていた!」

 
夫や彼氏から要望があった場合、専業主婦になりたいかを
女性に対して訊いているのですが、結果は以下のようです。
なるほど専業主婦希望の女性は全体の約7割です。
多数を占めていると言えるでしょう。

全体結果

年代別の結果


この調査は質問に「経済面で心配無い場合」と書いています。
これが誘導的になっていることが考えられます。

・彼氏・夫に専業主婦になってくれ!と言われたら専業主婦になる?
〜経済面で心配無い場合、専業主婦になれるならなりたい??〜

仕事をする理由として収入を得るため、
つまり経済的な動機はきわめて大きいです。
その経済的な心配がないなら、仕事をしないで
専業主婦のほうがいいと考えるかたが多くなっても
無理もないことではないかと思います。

とくに女性の場合、低賃金の非正規雇用が多いし、
正規雇用であっても生産性の低い部門の要員にされたりで、
労働市場の外縁部に締め出されています。
加えてパワハラやセクハラも受けやすいです。

仕事を続けていても将来の展望がない上に、
ハラスメントの被害もあるとなれば、
経済的心配がなくなったらさっさといまの仕事を
やめたいと考えるかたは、なおさら多くなるでしょう。



この調査は女性だけにしか訊いていないです。
男性に「経済的な心配がない場合、仕事をしたいか?」と訊けば、
やはり「したくない」と答えるかたは、
結構多くなるのではないかと思います。

女性と違いがあるとしたら「専業主夫になりたい」と
答える男性はほとんどいないだろう、ということです。
彼ら男性は、家事、育児といった家庭内の無償労働は、
女性以上にやりたくないと思われるからです。

よって女性だけを調査対象にしたこのようなアンケートで、
「女性の多くは実は専業主婦になりたがっている」と
結論するのは、恣意的だと言わざるをえないです。


このようなみょうなバイアスのかかった調査を
直接自分で見るか、また聞きで聞くかして、
「専業主婦になりたい女性は多い」となんとなく思う
男性が出てくるのかもしれないです。

最初の「専業主婦希望が多そう」と予想していた
ツイートのかたも「安定した結婚生活が保証されてるなら」
という条件をつけていました。


謝辞:

TesTeeの専業主婦志望のアンケートの記事を
ご紹介してくださったkirikoさま、ありがとうございます。




posted by たんぽぽ at 17:24| Comment(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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