2018年03月07日

結婚改姓に感謝や責任感?

3月5日エントリでお話した、夫婦別姓だとキズナが
深まらないのでは?と余計な心配をしているかたは、
夫婦同姓の場合、自分の苗字に改姓してくれた相手に
感謝や責任感が生まれるとも言っています。




 
多くの男性は、結婚相手の女性が自分の苗字に
改姓することを当然と思っています。
相手の女性が結婚改姓したくないと言うと、
「ぼくのこと愛してないの?」とか言ったりして、
女性に誠意がないかのようにみなされます。

女性が自分の苗字に改姓したところで、たいていの男性は
「あたり前のことをしてもらった」という意識だと思います。
感謝や責任感はべつだん生まれないと思います。
実際、感謝や責任感がわいたというお話を聞かないです。

感謝や責任感が生まれてくる男性がいるとしたら、
苗字や結婚の問題にかなり見識のあるかただと思います。
それくらいのかたであれば、結婚相手の女性に望まない
改姓をさせようなんて、もとより思わないでしょうから、
夫婦別姓を選択する可能性が高いです。

それでもそうした人が夫婦同姓を選択するとしたら、
よほどやむをえない事情があるということだと思います。
かなりのレアケースと見てよいでしょう。


結婚相手の男性が自分の苗字に改姓してくれた
女性であれば、感謝や責任感を持つかたも
いらっしゃるのではないかと思います。

結婚改姓するのは女性というのが当然という状況です。
婚姻の96%程度のケースで女性が改姓します。
男性が改姓するケースはないと言っていいくらいです。


男性が妻の苗字に改姓する「女姓婚」が話題になったことが
ありましたが、産経新聞のアンケートによると31%が反対です。
この数字は小さくないと思います。

「女姓婚のアンケート」

(1)女姓婚に賛成か
69%←YES NO→31%

それでもアンケートに答えるかたは、
実際に「女姓婚」をするのは他人と考えていると思われるので、
このくらいの数字ですんでいるとも言えます。

自分や自分の縁者が「女姓婚」をするとなると、
反対する人はもっと多いのではないかと思います。
男性が結婚改姓する結婚は、ほとんどかならずと言っていいくらい、
家族や親族のだれかが反対するからです。



それに加えて、アイデンティティの問題とか、
職業上のキャリアの問題とか、名義変更といった、
結婚改姓にともなう不利益を、結婚相手の男性が
すべて引き受けてくれることになります。

男性はほとんどかならず結婚改姓しないという
社会通念のもと、大勢からの反対に抵抗して、
さらに通常なら自分が引き受けることになる
改姓の不利益まで全部引き受けてもらえるわけです。
そこまでしてくれた夫に感謝や責任感を持つ女性も、
きっといらっしゃるだろうと思います。

男性が結婚改姓するケースは、婚姻全体の4%程度と
ごくわずかですから、こうしたことも
「ほとんどない」と言っていいでしょう。


posted by たんぽぽ at 22:59| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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