2018年01月22日

夫婦同姓は明治以降の「伝統」

メインブログの1月20日エントリで、
日本会議が選択的夫婦別姓に反対するのは、
ジェンダー平等意識が皇室や天皇制に波及することを
恐れるから、ということをお話しました。

この記述が出ている日本会議の機関紙には、
夫婦同姓は日本の伝統だということも強調しています。
選択的夫婦別姓の反対派らしいです。



 
夫婦の「同姓」は、明治以来の近代日本の建設の中で培われ、
特に「教育勅語」の中で「夫婦相和シ」と高らかに謳われた、
日本の伝統的な家族の価値、文化の価値です。

日本人として生まれたからには、日本の伝統文化の価値を
身につけてそれを体現し、世の中のあらゆる職業・職務・職能を通して、
国の為に尽くしていくことは、それぞれ家族を持つ
日本人としては当然のことであり、義務であります。

この記事は「明治以来の近代日本の建設の中で培われ」とも
書いていて、「夫婦同姓は日本の伝統」というのは、
明治以降のものだということを述べています。
反対派がみずから夫婦同姓の歴史は明治以降で、
1世紀とちょっとしかないと語っているということです。

「夫婦同姓は日本の伝統」と言う反対派は、
夫婦同姓が近代以前から何世紀もずっと
続いていたかのように印象付けるのが相場です。
そのような印象操作をせず、正直に「明治以降」であることに
触れるのは、いささか珍しいかもしれないです。

最近の選択的夫婦別姓の反対派の中には、
1世紀とちょっと続けばじゅうぶん「伝統」だと言う人も
出てきているので、その流れに乗っているのかも知れないです。


明治に入って近代的な家族制度を作ったとき、
最初は結婚改姓がなく、夫婦別姓が原則だったと言えます。
その後、ヨーロッパの家族法を研究しているうちに、
「苗字は家の名前」と考えるようになり、妻が夫の苗字に改姓して
夫婦同姓となる民法を制定したのでした。

明治のはじめは夫婦別姓が原則だったことや、
ヨーロッパの家族法の影響で夫婦同姓が
法的に定められたことは、上述の日本会議の機関紙の
記事ではさっくりと無視しているようです。

「反対派の精神構造と思考構造 夫婦同姓は日本の伝統?」


これらに言及するのは、反対派としては
まだまだ「都合が悪い」ということかも知れないです。


この日本会議の記事は、夫婦同姓の強制を維持しないと、
皇室の「万世一系」が守れないと主張しているのでした。

「差別のための夫婦別姓反対」

皇紀2600年なんて言っているのですが、
26世紀以上続いている(ことになっている)ものが、
最近になってできた1世紀程度のものを維持しないと
続けられないというのは、どういうことかと思います。

夫婦同姓が法的に定められる前の、25世紀のあいだは
どうやって「万世一系」を守っていたのだ?と思います。
本当に26世紀も続いた伝統なら、基盤も堅いでしょうし、
最近の1世紀でできたものごときで揺らいだりせず、
維持できるだろうというものです。


posted by たんぽぽ at 07:04| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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