2018年01月18日

夫婦同姓は戦国以降位からの伝統?

メインブログの1月17日エントリでご紹介した、
「夫婦別姓だと子どもがいじめられる」と
しきりに主張するかたは、日本の伝統を守れという、
反対派(非共存派)の定番の主張もしています。

この選択的夫婦別姓の反対派(非共存派)に言わせると、
「夫婦別姓は日本の伝統にない」そうです。
夫婦同姓はいつから始まった伝統なのかというと
「戦国以降位」(!)からだそうです。

 

夫婦同姓の伝統が戦国時代以降くらいから始まった
というのは、どういうことなのかと思います。
江戸時代の一般の庶民は苗字なんてないか、
あっても名乗れなかったのでした。
苗字を名乗る伝統がなかったということです。


明治に入ってから新政府は徴兵や収税の都合で
国家が国民を把握しやすくなるようにするため、
家族法や戸籍法を定めたのでした。
このときから国民全員が苗字を名乗るようになります。

「反対派の精神構造と思考構造 夫婦同姓は日本の伝統?」

はじめに政府は「苗字は出自を表す」という見解を示しました。
結婚改姓という概念がなく、女性は結婚しても
生来の苗字を名乗る夫婦別姓が原則と言えます。

その後ヨーロッパの民法典を調べるうちに、
その影響を受けて「苗字は家の名前」と考えるようになります。
家父長制のもと妻が改姓して夫の苗字を名乗る
日本で夫婦同姓になることが決められたのは1898年、
明治に入ってだいぶ経ってからです。


苗字概念が現代のようになったのは、明治に入ってからです。
いまの意味での夫婦別姓とか夫婦同姓も、
基本的に明治以降の概念ということになります。
明治より前にはさかのぼれない「伝統」ということです。

現在では「氏(し)」は「姓(せい)」「苗字」の
法律用語というだけで、概念的な区別はないです。
江戸時代までは「氏(うじ)」「姓(かばね)」「苗字」は
それぞれ別のもので区別されました。

「夫婦別姓4部作」
「名字の歴史と夫婦別姓」


「戦国以降くらい」というのは、みなさんも初耳だったようで、
当然ながら疑問を呈することになります。


夫婦同姓の伝統が戦国以降くらいというのは、
なにを根拠にそのようなことを言うのか、
「コナン」は結局はっきりさせなかったです。


posted by たんぽぽ at 23:05| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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