(アルバイトをしているか、フルタイムの仕事についているか)
についての国際比較をした調査があります。
これを見てみたいと思います。
男性と女性とにわけて示してあります。
出典は内閣府『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』2013年度です。
中等後教育機関の学生の就業状況。短大生や専門学校学生までを含めると,サンプルが増えるのでジェンダー比較ができる。日本は男女ともバイト率がトップだが,女子の実施率(63%)は他国を圧倒している。 pic.twitter.com/5KE3cJZ7KE
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2015年5月4日
男女ともアルバイトやパートをしている学生が
もっとも多いのは日本です。
日本は大学の授業料が高く、奨学金が貧しいので、
自前で生活費や授業料を稼ぐ必要のある学生が多い
ということだと思います。
「学費は高いわ援助はないわ・・・日本の高等教育@OECD」

「大学生のバイト目的の変化」
バイトの目的の変化。日大の学生ですけど,全国の大学でもこうなんだろうね。 pic.twitter.com/SPw8WBCPZ1
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2015年5月1日
とくに日本は男子より女子のほうが、
アルバイトの就業率が高くなっています。
「フルタイム就業をしている」人を加えても
調査対象国の中で日本の女子はもっとも就業率が高いです。
日本は高等教育に対する公的支出が少なく、
家庭が負担をさせられる程度が大きいです。
それゆえ教育にかける経済的リソースを
女子よりも男子優先にする家庭が多いからだと思います。
女子は男子よりもさらに自前で生活費や授業料を
捻出する必要にせまられるということです。
「教育の機会不平等・原因と結果」

ほかの調査対象国は、かならずしも男子より女子が
アルバイトの就業率が高くはないです。
これらの国ぐには高等教育に対する公的支出がじゅうぶんなので、
女子の大学進学に対する経済的負担が男子と比べて
深刻に大きくないということだと思います。
日本は高等教育に対する公的支出が少ないゆえに
とくに女子の大学進学に対する経済的負担が大きいことは、
日本は大学進学率が「女子<男子」である
ほぼ唯一の国であることに現われていると言えます。
「大学進学率のジェンダー比較」
こちらも国際女性の日にちなんでOECDが出していた、高等教育における男女別の就学率。目に見えて男性の方が女性よりも大学に行っているのは日本ぐらい。もっと国際女性の日が日本国内でも盛り上がってほしいよね。 pic.twitter.com/7ifr0neyBu
— 畠山勝太/サルタック (@ShotaHatakeyama) 2016年3月8日
日本はとくに女子の大学進学が負担になることは、
このアルバイト就業率にも現われていると思います。
付記:
最初の図を見ると、日本以外の国ぐにでは
「フルタイムの仕事をしている」学生の割合が
結構あることに気がつきます。
仕事をしながら大学に通う環境が整っている
ということなのだろうと思います。
日本にはほとんど見られない、社会人になってから
大学に通う人が多いこともありそうです。
オーストラリアでは,30代でも5人に1人が学生。
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2017年10月1日
日本はあまりに少ないので,統計すらない。 pic.twitter.com/8m9DUWLaRJ