「高収入女性は金のない男性を養え」という
「弱者男性」の主張の非現実性や差別性について
取り上げたエントリを見ています。
「なぜ「弱者男性」の敵が「フェミニスト」なのか」
金のある男性が金のない女性を必ず養っているとは
かぎらない、という指摘がここにあります。
成功した男性が好みで無いオバサンを
引き受けているわけではありませんから、
立場を逆転させた例としても成立していません。
これはデータで示すこともできます。
国土交通省の「国土交通白書」に、20代、30代について、
年収階層別に既婚率や交際経験率を示したデータがあります。
「年収1000万円以上は独身志向!?」
「第2章 - 国土交通省」
これを見ると男性の場合、年収1000万円までは
年収が上がるほど既婚率がほぼ単調に高くなります。
ところが年収1000万円以上で、きゅうに既婚率が下がります。
結婚しても経済的メリットが少なく、
それよりはお金と時間を自分のために使いたい
ということだろうと思います。
国交省は「結婚による追加的な経済的メリットを
感じにくいことなどが理由と考えられる」としている。
家庭を維持するために必要なお金と時間を
自分のために自由に使うためには、良い選択肢とも言えなくはない。
Aさんは、給料にもあまり手をつけておらず、
将来的には定年を前に早期に会社を辞めて
悠々自適な生活を送りたいのだという。
高収入男性はむしろ自分のためにお金を使うようになり、
金のない女性を養わなくなるということです。
(既婚者の中には夫婦共稼ぎがいることも考えれば、
「金のない女性を養う男性」はもっと少なくなるでしょう。)
となれば、高収入の女性が、金のない男性を
養わなければならないいわれもないというものです。
女性の場合だけ、成功者になったら好みを優先させてはいけない、
という要望であるなら、その要求自体が差別的です。