「説明責任」に転嫁するツイートの続き。
このかたは選択的夫婦別姓に「進展」がないと言っています。
さらに同性結婚に関して自治体のパートナーシップ証明書を
発行できるようになったことを「進展」の例としています。
その程度で「進展」としていいなら、
選択的夫婦別姓はもっとたくさん「進展」していますよ。
あなたが知らないだけです。
そうやって理解されようとしないから、この40年何の進展も無いのですよね?
— おやつ休憩・まっつ (@maz_remus) 2017年9月3日
同性婚の方は色々世論を形成されて、自治体がパートナーシップ証明書を発行するまでになったというのに
夫婦別姓で事実婚の場合、住民票の配偶者の続き柄を
「未届け」にすることができます。
これは住民基本台帳事務処理要項の改正で
2002年から記載できるようになっています。
全国どこの自治体でも認められるものです。
「住民基本台帳事務処理要領 改正「2002年7月12日総行市第136号」」
古典的なところでは、通称使用の権利を求めた訴訟があります。
1988年に提訴、1998年の二審で一定の条件付きながら、
通称使用が認められることになりました。
「1988(昭和63)年 仕事での「旧姓使用」を求める
女性教員が戸籍名を強制する大学を提訴」
これ以降、まがりなりにも旧姓使用を認める
職場が増えていくことになります。
国家公務員は2001年から、旧姓を通称として
使えるケースが増えています。
世紀の変わり目ごろから、研究職でも通称使用できる
ケースも増えていきます。
以下のサイトにある「いままでの多くの人々の努力で、
いろんな前例ができています」というのは重要です。
先人たちが働きかけ続けて、少しずつ権利を
獲得してきたということだからです。
「科学研究者の別姓使用の<現状と対策>」
また2006年にはパスポートに旧姓併記できる職種が、
大幅に広がることになります。
それまでは旧姓併記を認められる職種が、
かなりかぎられていたのでした。
「パスポートの旧姓併記」
事実婚に関しては、2006年に事実婚カップルでも
不妊治療を受けられるよう、産婦人科学会が指針を変更しています。
「事実婚にも体外受精」
さらに2014年には、未婚親であっても、
不妊治療が受けられるよう指針が変更されています。
「未婚親の体外受精容認」
選択的夫婦別姓に関係する「進展」でしたら
これくらいはあるし、探せばまだまだあるでしょう。
最初のツイートの人がこれらのことを知らないのは、
本人の「理解責任」の問題だと思います。
この程度の「理解責任」さえ果たさない人に
理解してもらう自信は、わたしにはあまりないです。
また理解してもらおうとして、結局理解してくれなかったとしても、
それは本人の「理解責任」になるだろうと思います。
わたしの「説明責任」ではないでしょう。