民進党の代表選ですが、政権時代の失敗と向き合うことが
重要視されていることをお話しました。
「民進党代表選 前原氏と枝野氏、反省強調 「昔の顔」対決」
この記事の中で、過去を払拭するためには、
「2030年代に原子力発電をゼロ」という方針にこだわることが
問題だという意見が出たことが書かれています。
原発政策を巡っても、民主党政権時代に決めた
2030年代ゼロを基に議論されることに対し、
旧維新の党の議員からは「民主党と民進党は違うのに、
過去の呪縛にとらわれている」と不満が漏れる。
「2030年代に原子力発電をゼロ」という目標は、
はっきりと打ち立てることだと、わたしは思います。
「過去の呪縛」として撤回するのはかえってよくないと思います。
「2030年代に原子力発電をゼロ」という方針は、
政権時代に失敗した政策ではないし、
取り立てて批判があったものではないからです。
2012年5月なのでかなりむかしですが、
時事通信社による「原子力発電所を今後どうするか」という
世論調査を見ると「依存度減らし将来なくす」が
40.2%でもっとも多くなっています。

現在は割合が変化していると思いますが、
「依存度減らし将来なくす」がもっとも多いのでは?と思います。
民主党政権時代は民主党政権のスタンスが、
もっとも支持されていたとは言えます。
「2030年代に原子力発電をゼロ」というのは、
政権時代に推進したが、下野によってこころざしなかばで
中断した政策という位置付けになると思います。
それならば、ふたたび政権を取ったら推進する
というスタンスが、妥当だと思います。
蓮舫が代表だった2月、連合の強い要求に押されて、
「2030年代に原子力発電をゼロ」の方針を
はっきり示すことを断念したのでした。
「蓮舫氏、「2030年原発ゼロ」表明を断念 連合に配慮」
これで政策の軸がはっきりしなくなり、
民進党はなにをしたいのかがわからなくなって、
支持が離れる原因となったこともあるだろうと思います。
「民進党、内紛超え理念と政策を 記者の視点」
選挙戦略や基本政策をめぐる内紛は年中行事と化した。
「提案路線」を掲げた蓮舫氏も、自ら主導した
原発の「2030年ゼロ」の方針表明を
連合とその影響下にある議員らの反発で断念。
そんな体質を変えることができず、党首の任に堪えなくなったといえる。
都議選の総括会議で、支持基盤に左右されずに
政策の軸を定める必要があるという意見が出たのは、
「2030年代に原子力発電をゼロ」の方針断念が
失敗だったと認識したこともあると思います。
「民進党・修羅場の都議選総括(2)」
「民進、修羅場の総括 「 解党すべきだ」「執行部若手に」」
会議では「憲法、社会保障、原発で党の柱を立てるべきだ」との声も出た。
選挙での協力関係を目指す共産党や、選挙の後ろ盾となる
連合に左右されず、政策の軸を定める必要性を訴える意見だ。
民進党はなにをしたい政党なのかはっきりさせるためにも、
「2030年代に原子力発電をゼロ」の方針は
明確に打ち立てることだと、わたしは思います。
自民党は原子力発電の現状維持どころか、
さらに増やすことを検討する可能性もあります。
2030年代に原子力発電をゼロにする方針は、
自民党との対立軸をはっきりする上でも効果的だと思います。
「自民党の原子力政策」
「脱原発の本気度リスト」