2017年08月25日

戸籍とマイナンバーを連携?

マイナンバーを戸籍と連携させることが検討されています。

「戸籍、マイナンバー導入へ 結婚や年金、謄本不要」
(はてなブックマーク)

法務省は、税や社会保障などの行政手続きに活用される
「マイナンバー制度」の利用範囲を戸籍に拡大する方針を固めた。
9月中旬の法制審議会(法相の諮問機関)総会で
戸籍法の改正について諮問する。

 
これまで戸籍の謄本、抄本の提出を必要とした
各種手続きが、マイナンバーを提示することで
戸籍証明書の提出が必要なくなるというものです。

結婚の届け出やパスポート申請、老齢年金請求などの際に
行政機関に対して戸籍証明書(謄本や抄本など)の
提出が不要になり、手続きが簡素化される。

申請者がマイナンバーを提示すると、
自治体が「戸籍情報連携システム」にアクセスして、
戸籍を参照することで、手続きを処理します。
よって申請者が自分で戸籍証明書を取り寄せる
必要がなくなることになります。

マイナンバーを利用した申請は、希望者だけだろうと思います。
従来通りの戸籍証明証を取り寄せて提出する
申請をすることも、できるだろうと思います。

マイナンバー制度の利用を戸籍業務に拡大した場合のイメージ

順調に行けば2019年から導入されることになります。
同省は、法制審での審議を経て、
2019年の通常国会での戸籍法改正案の提出を目指している。


こうしたことがあるといちばん不安なのは、
セキュリティ、プライバシーの保護だと思います。
「戸籍情報連携システム」が使われるということは、
自治体職員がアクセスできる一元化したデータベースに、
戸籍の情報がすべて集まるということです。

マイナンバー自体、セキュリティ面で不安が残るものです。
戸籍の情報がマイナンバーと連携することで、
戸籍に記載された個人情報の漏えいや不正利用をされる
可能性が高まることも考えられます。

戸籍のデータ管理は、自治体ごとに独立していて、
自治体間のネットワーク化はされていないです。
それは不便ではありますが、その不便さがかえって
セキュリティを守る部分もあるということです。

戸籍は約1900の市区町村がそれぞれ独立した
システムで管理しており、自治体間ではほとんど
ネットワーク化されておらず、文字のデザインなどもまちまちだ。


「戸籍情報連携システム」をどう構築するのかですが、
すでにあるバックアップ用のデータベースを利用する予定です。
バックアップを通常の業務での参照に利用して
だいじょうぶなのか、またさらに新しく別のバックアップデータが
必要になるのではないか、という気もします。

最終報告書は、同省が大規模災害に備えて全国2カ所に
戸籍の副本をバックデータとして保存している仕組みを利用し、
マイナンバーとひも付けする新たなシステム
(仮称・戸籍情報連携システム)の構築を提案。
文字のデザインも同じ文字とみなされるデザインを集め、
コードを統一することで連携を可能にする。


もうひとつ思うのは、戸籍とマイナンバーを連携して
ふたつのデータベースで管理するくらいなら、
どちらかひとつにすればいいではないか、ということです。

マイナンバーひとつだけにして戸籍を廃止しようとか、
あるいはマイナンバーと連携しやすくするため、
戸籍を廃止して個人単位の身分登録にしようとか、
そういう考えにはならないみたいです。


posted by たんぽぽ at 07:15| Comment(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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