2017年07月22日

厳格主義と合意ある性交渉

「加害性の無いエロ」というのはなんでしょうか?
合意の上でのセックスなどの性的接触、性交渉と解釈します。

合意の上での性交渉や性的接触を行なうことが、
どうしてヴィクトリア朝の厳格主義なのかと思います。
合意にもとづいた性交渉は、ヴィクトリア朝の厳格主義とは
まったく正反対と言っていいくらいです。


(はてなブックマーク)

 
ヴィクトリア朝時代の性に関するモラルは
どんなだったかというと、次のページに少し書いてあります。

「避妊とポルノグラフィ」

女性とくに上中流階級の女性は、
おおよそ性的なものからことごとく遠ざけられました。
性教育を行なうこと自体がタブーであり、
結婚するまで性の知識はほとんどないのが一般的でした。
月経がなぜあるのかさえ知らないくらいでした。

性に関することの忌避のされかたは徹底していて、
女性は脚を出すだけでもかなり抵抗があることでした。
さらには女性には性欲がないと一般に信じられ、
それにもとづいた性に禁欲的な教育がなされました。

これは現在の「純潔思想」に近いことがわかります。
「純潔思想」の影響を受けた山谷えり子は、
「性教育は結婚してから」なんて言っていて、
ヴィクトリア朝の性モラルはきっと理想でしょう。

「「性教育は結婚してから」山谷えり子参議院議員の発言がお花畑過ぎると話題に」


現在のフェミニズムは、性に関する加害を防ぎ、
性交渉をすべて合意の上で行なうものとするため、
積極的に性教育を行なうことを主張します。

「性教育先進国オランダ 小学生が暗闇の中で避妊具着ける実習」
「「レイプもセックスだと思ってた」…まともに教えず、男を誤解させる自民党の政治的性教育」
「避妊を教えた教師がクビ なぜ日本の“性教育”は進まないのか?」

性に関する知識をじゅうぶん持つことによって、
望まない妊娠や性感染症、性暴力被害を防ぐことができて、
女性は自分の心とからだを守ることができるし、
男性は女性を傷つけたりしなくなるということです。

まともな知識がないと、男性の中にはレイプも
セックスのうちだと、まじめに思っていることがあります
こんな認識にもとづいて性交渉すれば、
相手の女性を傷つけるのはほぼ確実でしょう。
こうしたことを防ぐのも性教育の役割になります。

性教育を含めた性的な要素を徹底的に排する
ヴィクトリア朝の性道徳や「純潔思想」は、
知識がないゆえに望まない妊娠や性感染症を引き起こしたり、
危険な性交渉におよぶことになります。
これは性に関する加害を防ぐことや、
合意の上での性交渉とは対極的なものとなります。


合意のある性交渉は、「男女が緻密なコミュニケーションで
愛を積み上げて」「同意を育んだ上で」のものですが、
「結婚して」「家庭的に実行する」とはかぎらないです。

結婚していなくても、合意のあるセックスはあるし、
結婚していても、合意のないセックスはあるからです。
夫婦間でもレイプが起こりうることはそれを示しています。
(日本では夫婦間のレイプは、握りつぶされることが多いですが。)

最初のツイートのかたは、合意のあるセックスは
結婚してからとか、結婚前のセックスは合意がない
なんて考えているらしいあたり、「純潔思想」的な発想に
いくらか引きずられているように思います。


最初のツイートのかたは、以前にも「保育園落ちた」は、
保育の現場の人間に対する批判だとかなんとか、
わけのわからないことを言っていました。
「青眼鏡」なんて呼ばれていて、問題含みのかたのようです。

「保育園落ちた・謎の批判」


付記:

ヴィクトリア朝時代の性モラルは、男性は禁欲主義的なのは
表向きだけで、陰ではかなり放埓でした。
性的メディアや娼婦、売春婦がたくさん氾濫し、
結婚するまでは「春を買う」のが当たり前でした。

複数の家族で共同生活をする貧困層になると、
貞操観念がなく性の知識がないので、
望まない妊娠でさらに家族を増やすことがざらでした。
裕福な家庭の男性は、使用人のメイドに手を出して
妊娠させることもありました。

女性は徹底的に性的なものを遠ざけられ、
自分のからだについての知識もろくになかったのですが、
男性は性に関してはやりたい放題だったと言えます。
きわめて男性中心的に正直だと思います。

posted by たんぽぽ at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック