2017年07月12日

なぜ日本の性教育は進まないか

メインブログの7月2日エントリでご紹介した、
日本の性教育の立ち遅れについての記事の2ページ目に、
スウェーデンの性教育について簡単に触れられています。

「避妊を教えた教師がクビ なぜ日本の“性教育”は進まないのか?」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170625-00010012-abema-soci&p=2
柚井さんは「スウェーデンではどうしてもらいたいのかを
ちゃんと言葉で言うことが大切だと教えます。
感情的な面を大切にするんですね。
中学校では模型でコンドームのつけ方を学びますし、
教えるときも男子と女子を分けません」と話し、
スウェーデンと比較し、日本の性教育が遅れていることを指摘した。

  
スウェーデンが引き合いに出されていますが、
このような進んでいる性教育を行なっているのは、
スウェーデンだけということではないです。
日本よりずっと進んだ性教育を行なう国は、ほかにもあります。

「外国と日本の性教育」


オランダの性教育も、内容が多彩かつ詳細におよび
上述のスウェーデンとほぼ同様の水準だと思います。

「性教育先進国オランダ 小学生が暗闇の中で避妊具着ける実習」
あるグループは小さな箱の左右に空いた穴の中に両手を入れている。
箱の中心にはペニスを模した肌色の突起物があり、
中が見えない状態でコンドームを上手につける練習をしている。
これは暗闇の中でもコンドームを的確に
つけられるようにするための練習だという。

また別のグループは、男女の人形を使って
バーチャルセックスの実習をしている。
男性の人形にはペニスが、女性の人形には膣がついていて、
しっかりと挿入できるようになっている。
「最初は家族の関係とか、自分がどんな風に
生まれてきたのかから始まります。
そして、例えばぬいぐるみを抱きしめてみるとどんな感覚なのか、
人とハグをしてみるとどんな感覚なのかを授業で話し合い、
性的欲求が高まった時のホルモンの
働きなどについても合わせて教えます。
具体的なセックスの方法や避妊、自慰行為について学ぶほか、
デートの仕方や生涯のパートナーの選び方、
そして離婚まで、小学生のうちにみっちり勉強。
さらには、自分が異性愛者なのか同性愛者なのかを自覚することや、
ED(勃起不全)や包茎、月経不順などの性にまつわる問題、
望まないセックスを避けるためのコミュニケーションの方法、
性暴力の被害者になってしまった場合への備えなども学ぶという。


韓国も性教育を充実させてきています。
とくに性暴力や性被害に重点が置かれています。

「「韓国で性暴力発覚増加したのは性教育の成果」と専門家指摘」
こうした背景の中で学校での性教育の重要性が再認識され、
2008年から小中学校で年間10時間以上の学習が必修となった。

「韓国の性教育では性暴力について力点が置かれています。
街中での声かけやインターネットサイトの利用などによって
性暴力に巻き込まれた事例を詳しく伝えるとともに、
性暴力にあってしまった場合の対処法が詳しく教えられます。

例えば、被害にあった際に証拠品として、
相手の髪の毛や体液をとっておくのが有効であることや、
被害にあった場合にいくべき病院や警察の対処窓口などを、
教科書の中で5ページにわたって詳しく解説しています。

被害者がだんだん声を出せるようになってきたのは、
こうした性教育の成果と考えられています。

「はっきりいって、現実的には性暴力の件数は横ばいか、増加しています。
ですが、これは被害者がようやく声に出せるようになったのだと、
私は解釈しています。熱心な性教育の成果だと思いますよ」


じつは性教育に対するバッシングは、欧米の民主主義国でも
日本と同じ00年代にあったらしいです。
ヨーロッパとアメリカではバッシングに抵抗して、
その後の性教育の充実となったのでした。
日本はバッシングに屈して性教育の後退となりました。



なぜ日本だけが性教育バッシングに弱かったのか、
あるいは日本のバッシングが強かったのかは
考察が必要なところだと思います。

2016年8月7日エントリでも同じことを書いていて、
いまだに答えを見つけていない。)


posted by たんぽぽ at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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