2017年06月25日

婚外子の割合の推移・国際比較

出生数に占める婚外子の割合の推移について、
日本とヨーロッパの主要国とで比較をした図があります。
これを見てみたいと思います。
出展はOECDの「Family database(家族のデータベース)」です。




 
1970年、1995年、2014年の3つがプロットされています。
ヨーロッパの民主主義国は、この44年のあいだに、
どこも急速に婚外子の割合が増えていることがわかります。

これは嫡出概念をなくして婚外子差別を撤廃したこと、
手当てや税制面で婚外子が不利に扱われなくなったこと、
また社会通念上も婚外子に対する差別がなくなったことが、
原因として考えられます。


図中でもっとも先に進んでいるのは、やはりスウェーデンです。
1970年ですでに婚外子の割合は20%近いです。
1995年には50%を超えていて、すでに現在の割合に
近くなっていることがわかります。

そのほかの国ぐにも、スウェーデンのあとを
追うように、婚外子の割合が増えています。
カトリックのお膝元で、因習的な家族観の強いイタリアでも、
図の中では婚外子の割合は低めですが、
他国と同程度に婚外子の割合は増え続けています。


日本の婚外子の割合は、これらの国ぐにより
圧倒的に低いものとなっています。
2014年になっても5%を超えていないです。
日本でも婚外子は増加傾向にありますが、
ヨーロッパの民主主義国と比べたら、
まったく増えていないも同然のレベルです。

日本でかくも婚外子が少ないのは、
日本では民法で規定された法律婚をするのが
正しい家族のありかたという、宗教のような
家族思想がいまだ強固に根付いているからでしょう。

「家族思想という信仰」

それゆえ法律婚の枠内にない「異教徒」である婚外子は、
忌避されることになります。
またかかる意識が社会制度にも反映されて、
婚外子に対して不利な社会の仕組みが
できていることも考えられます。


2013年に最大の懸案だった婚外子に対する
相続差別はなくなりましたが、それ以外のところでの
差別解消が進んでいないという勧告を、
2016年に国連女子差別撤廃委員会から受けています。

「2013年12月・婚外子差別撤廃、民法改正」
「CEDAW日本審査・民法改正」

12. 差別的規定を撤廃するという見地からの前回勧告が
実行されていないことを、委員会は遺憾に思います。
委員会はとりわけ以下に関することを指摘します。

(d) 2013年12月に婚外子の相続差別に関する規定が
廃止されたにもかかわらず、さまざまな差別的規定が
出生届けの記載に関係する戸籍法を含めて残されている。

13. 委員会は貴締結国に対し、前回(第5回および第6回日本審査)の勧告を
再度繰り返し、一刻も早く実行することを強く主張します。

(b) 婚外子に関するあらゆる差別的規定を廃止し、
婚外子とその母親を社会的な偏見や差別から守るための法的保証をする。


図を見ると1970年の日本の婚外子の割合は、
イタリアやスペインと大差なかったのでした。
イタリア、スペインはこれ以降、社会に定着している
因習的な家族観に抵抗して、婚外子差別を
なくしていったということです。

日本は対称的に婚外子差別をほとんど放置したわけです。
かくして国際的にすっかり取り残されることになります。


posted by たんぽぽ at 10:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 民法改正一般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック