2017年06月16日

国連報告者の資格と立場

メインブログの6月15日エントリでお話した、
「国連特別報告者は人権理事会が肩書きをプレゼントした」
という認識のエントリを、もう少し見てみます。

「国連特別報告者の意見は国連の意見に非ず」

このエントリでは、具体的な国連特別報告者を例に出しています。
自分の知っている数人のおかしな国連特別報告者を
引き合いに出して、あたかも国連特別報告者は大多数が
おかしいかのように印象付けるという戦略でしょう。

 
特別報告者の中にもおかしな人は居るらしく、
最初のまとめサイトに挙げられた例だと、
「日本の女子学生13%が援助交際をしている」とした報告書は、
日本側から抗議されて撤回している。

たまごどんに馴染みのある特別報告者は、
フクイチ事故を受けての福島の健康調査が十分ではないと
主張したトンデモさんのアナンド・グローバー氏、
ありもしない慰安婦の強制連行を事実として
国際社会に報告したラディカ・クマラスワミ氏がいる。
グローバー氏は科学への無知であり、
放射脳が湧いている方の熱狂的な支持で終わったが、
クマラスワミ報告書は日本の国益を大きく損なわせた。

やっていることは6月11日エントリでお話した
菊池誠とほぼ同じなので、菊池誠に向けた批判が
ほとんどそのまま当てはまることになります。

「国連報告者は信用できない?」

上記エントリでは「おかしな国連特別報告者」を
3人挙げていますが、そのうちふたりは菊池誠と同じ
ということも指摘しておきたいと思います。


ここでの問題では、ケナタッチ氏の資質はどうか、
そして共謀罪についての公開書簡の内容はどうかです。
国連特別報告者の一般論は問題にしてはいないし、
ケナタッチ氏以外の国連特別報告者のことも、
ぜんぜん関係ないです。

上記エントリではケナタッチ氏のことや
公開書簡の内容については明言を避けています。
そしてあくまで国連特別報告者の立場や資格についての
一般論に終始しています。

共謀罪について触れると、ケナタッチ氏の指摘事項が正しいのか、
それとも日本政府が法案成立を急いだ論理が正しいのかについては、
たまごどんは判断を保留している。

(よくわからないと言いつつ、とんでもしかいない印象なので
権威を感じないし信用もできないと断定している
菊池誠よりは、この点でもまだましと言えます。)


それゆえ「あなたはケナタッチもおかしな
国連特別報告者だと思っているのでしょ?」と訊いても、
「そんなことは言っていない」と反論することできます。

それでいて上記エントリを読んだ人には、
「なるほど国連特別報告者は信用できない人が多く、
ケナタッチもその一員なのだろう」と印象付けができる
「巧妙な」書きかたをしていることになります。



付記1:

ジョセフ・ケナタッチ氏はこのようなかたです。

「「共謀罪」書簡の国連特別報告者 日本政府の抗議に反論」
法学者であるケナタッチ氏自身、日本のプライバシー権の
性質や歴史について三十年にわたって研究を続けてきたとし、
「日本政府はいったん立ち止まって熟考し、
必要な保護措置を導入することで、
世界に名だたる民主主義国家として行動する時だ」と訴えた。


付記2:

「たまごどん」が挙げている国連特別報告者の3人目、
クマラスワミはおかしなかたではないです。
「たまごどん」は、慰安婦の否定派なので、
クマラスワミ報告書も否定するのでしょう。

クマラスワミ報告書の内容や意義については、
たとえば以下のサイトをご覧ください。

「4-1 国連クマラスワミ報告」


posted by たんぽぽ at 21:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律一般・訴訟 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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