これを見ていると、スウェーデンの強姦発生率が58.5と、
飛び抜けて高いことが眼につくと思います。
さぞ暗数が多いのだろうな。 pic.twitter.com/bFu60nKm41
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2017年5月6日
これはスウェーデンでは性犯罪に対して法律が厳しく、
社会が性犯罪の取り締まりに積極的だから、ということは、
これをご覧のかたでしたら、わかるだろうと思います。
「スウェーデンは強姦大国?」
「スウェーデンは強姦大国?(2)」
「スウェーデンは強姦大国?(3)」
「スウェーデンは強姦大国?(4)」
スウェーデンは強姦がたくさん発生する
治安の悪い国、ということではないです。
ほかの国であれば摘発されないような性暴力でも、
スウェーデンは摘発されるということです。
スウェーデンの性暴力関連法の特徴は、
性の自己決定権の保護を目的とし、性暴力の犯罪性を
「性の自己決定権の侵害」としていることです。
ようは「望まない性行為を強要することは犯罪」です。
それゆえ、強姦が犯罪なのは「貞操の侵害」=
「女は男の所有物で、他の男が他人の所有物を毀損」という、
前時代の概念を多かれ少なかれ引きずっている、
他国の同種の法律より、スウェーデンの法律は
優れたものとなっているということです。
http://macska.org/article/332
フェミニスト法学者たちが主張するのは、
「強姦罪」をはじめとする既存の性暴力関連法規を
廃止するなり大幅改正するなりして、個人の性的尊厳と
自己決定権の尊重を「性暴力禁止法」の中心に据えることだ。
すなわち、同意を得ずに性行為を押し付けること――
ここには、一方がコンドーム使用を求めているのに
もう一方がそれを拒絶するなども含む――自体が
暴力として認識されるべきだ、とかれらは主張する。
さまざまに歪曲され、まるで、たいしたことではない
「『強姦』」の代名詞であるかのように言われている
スウェーデンの「不意打ちの性交渉」とは要するに、そういう法律だ。
個人の性的尊厳と自己決定権の尊重を
保護しようとしているという点で、スウェーデンの性暴力関連法には
他国より優れた側面があると考えている。
スウェーデンがジェンダー平等先進国であることが
おもしろくない日本の「反フェミ」の中には、
強姦発生率が高いことを理由に「スウェーデンは強姦が
多発する危険な国」と主張する人は、まだいるのかと思います。
彼ら「反フェミ」はスウェーデンの性犯罪関連法が
他国と比べて厳しいことや、社会が性犯罪の摘発に
積極的なことは、聞き入れようとしないです。
発生率の数字が高いことを楯にとって、
スウェーデンは強姦大国と主張するばかりです。
最初の図を見ると、インドの強姦発生率は2.6です。
これは日本の2倍以上ではありますが、
欧米の民主主義国よりは圧倒的に少ない発生率です。
それでもインドは強姦の少ない安全な国だとは、
日本の「反フェミ」でさえ思わないだろうと思います。
インドはよく言われるように、自他ともに認めるレイプ大国です。
レイプがあまりに多いので、インドの世論も
キレてきているのではないかと思うこともあります。
「インドでレイプ犯に死刑」
インドの法律は性犯罪に対抗できるほど厳しくないと考える国民が7割というデータも⇒「レイプは国家の大問題」―インド国民の9割が認識 http://t.co/lgDsQwGvy1 (REUTERS) pic.twitter.com/oZiWPhQTpg
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) 2014年4月25日
「インド全土に抗議拡大の集団レイプ事件、被告4人に有罪」。被告4人が無罪を主張していたのがすごい。「インドで女性に対する性犯罪が社会問題化する発端となったもので、抗議活動は全国に広がった」 http://t.co/Wb9qgfCf4H
— たんぽぽ (@pissenlit_10) 2013年9月10日
インドに行った日本人旅行者が現地でレイプにあうと、
「そんな国に行くからレイプされるんだ」と
日本の自己責任論者がこぞってバッシングすることがありますし、
インドはレイプが多いということは、
日本社会でもかなり周知されているのでしょう。
インドで強姦の発生率が異様に低いのも、
暗数化が多いことが考えられます。
上述のように国民の多くが、インドの性犯罪に対する
法律はふじゅうぶんと考えてもいます。
インドで強姦の発生率が低いのが、
実際に強姦が少ないからではないということであれば、
スウェーデンで強姦の発生率が高いのも、
実際に強姦が多いからではないと考えるのが妥当というものです。
スウェーデンの性暴力関連法の厳しさは、
ウィキリークスを主催していたジュリアン・アサンジが、
強姦の容疑で逮捕されたときに注目されたことがあります。
「ウィキリークスのアサンジ強姦事件」
「ウィキリークスのジュリアン・アサンジ逮捕をめぐる流言、
そして「強姦」と「『強姦』」のあいだ」
「ジュリアン・アサンジ性犯罪容疑に関連したよくある疑問・異論への応答」
この事件に関して、アサンジを擁護する人たちは、
「あれは性犯罪の法律が厳しいスウェーデンだから
犯罪になるのであって、ふつうの国なら
犯罪にならないんだ」という意味の主張を展開します。
スウェーデンの性暴力関連法は、ほかの国と比べてどうなのか?
「とくに厳しくない」とする「反フェミ」の人たちと、
「特別に厳しい」と主張するアサンジ擁護の人たちとで、
徹底的に議論するといいだろうと思います。