人口10万人あたりの認知件数で、2013年のデータです。
出典はUNDOC「crime and criminal justice statics」です。
さぞ暗数が多いのだろうな。 pic.twitter.com/bFu60nKm41
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2017年5月6日
こうした犯罪統計は、一般には単純に国どうしで比較はできないです。
法律や警察、司法の体質に依存するので、
国によって認知や検挙をする基準が異なるからです。
発生率が高い国は、その犯罪が実際に多いからではなく、
法律が厳しいとか、警察が積極的に取り締まるから、
ということも考えられます。
発生率の高いことが治安のよさを示す可能性もあるわけです。
強姦のような性犯罪の場合も同様で、具体的には、
1. 暗数化
2. 法律の整備
3. 法律の運用実態
4. 警察、司法の積極性
といった条件が入ってくるだろうと思います。
日本の強姦の発生率は1.1で、欧米の民主主義国と比べて、
圧倒的に少ないですが、それをもって強姦が少なくて
治安のよい国だとは結論できないです。
日本は強姦の暗数化が多く、性犯罪がもみ消されやすい、
むしろ治安の悪い国だと考えたほうが妥当です。
日本の場合、5月20日エントリでお話しましたが、
とりわけ家族や親族が加害者というケースの強姦が、
警察ではほとんど受理されず、取り下げられていると考えられます。
「強姦加害者の被害者との関係」
とくに,家族による犯行は闇に葬られやすい。 pic.twitter.com/kcvfDa8zKa
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2017年5月6日
この暗数化は、知っている人や身近な人が加害者の場合、
それまでの人間関係が崩れることを恐れて、
被害者が被害を訴えにくくなる傾向があることや、
日本では家族や親族間の強姦が刑法で犯罪とされないといった
法律の限界も、原因として考えられるでしょう。