2017年05月27日

諸外国の強姦事件の発生率

強姦事件の発生率についての国際比較の図です。
人口10万人あたりの認知件数で、2013年のデータです。
出典はUNDOC「crime and criminal justice statics」です。



 
こうした犯罪統計は、一般には単純に国どうしで比較はできないです。
法律や警察、司法の体質に依存するので、
国によって認知や検挙をする基準が異なるからです。

発生率が高い国は、その犯罪が実際に多いからではなく、
法律が厳しいとか、警察が積極的に取り締まるから、
ということも考えられます。
発生率の高いことが治安のよさを示す可能性もあるわけです。

強姦のような性犯罪の場合も同様で、具体的には、
1. 暗数化
2. 法律の整備
3. 法律の運用実態
4. 警察、司法の積極性
といった条件が入ってくるだろうと思います。


日本の強姦の発生率は1.1で、欧米の民主主義国と比べて、
圧倒的に少ないですが、それをもって強姦が少なくて
治安のよい国だとは結論できないです。
日本は強姦の暗数化が多く、性犯罪がもみ消されやすい、
むしろ治安の悪い国だと考えたほうが妥当です。

日本の場合、5月20日エントリでお話しましたが、
とりわけ家族や親族が加害者というケースの強姦が、
警察ではほとんど受理されず、取り下げられていると考えられます。

「強姦加害者の被害者との関係」


この暗数化は、知っている人や身近な人が加害者の場合、
それまでの人間関係が崩れることを恐れて、
被害者が被害を訴えにくくなる傾向があることや、
日本では家族や親族間の強姦が刑法で犯罪とされないといった
法律の限界も、原因として考えられるでしょう。


posted by たんぽぽ at 22:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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