年齢階層別の貧困率の国際比較を見てきました。
「日本の未来を予見させる、韓国高齢者の深刻な貧困問題」
(はてなブックマーク)
メインブログでは高齢者の貧困について注目しましたが、
ほかの年齢階層についても、見てみたいと思います。
やはり関心を惹くのは子どもの貧困率でしょうか。
表中の「0~17歳」の階層が子どもの貧困率になります。
日本の子供の貧困率は16.3%だが、
一人親家庭に限ると半分を超える(2010年)。
2人に1人で、これは世界でもトップの割合だ。
日本の子どもの貧困率は16.3%というのは、
よく引き合いに出される国民生活基礎調査によるものです。
「6人にひとりが貧困」ということになります。
1985年から2012年にいたるまで、上昇傾向にあります。
「上昇を続ける日本の貧困率」
1985年でさえ子どもの貧困率は10.9%あったわけで、これは未来の話ではなく、ずっと実在し続けた「社会的損失」だということ。 /
— akupiyo (@akupiyocco) 2016年8月23日
子供の「6人に1人が貧困」 40兆円の社会的損失 https://t.co/LtvEh1qUEJ pic.twitter.com/dFTTOFOUzG
ひとり親家庭にかぎると、貧困率が50%を超える
というのは、たとえば次の図が示しています。
2010年のデータではないですが、日本は58.7%です。
OECD加盟国中、もっともひとり親世帯の貧困率が高いです。
「シングルマザーの実像」
グラフにあるように「日本のひとり親世帯の貧困は世界最悪」です。 http://t.co/Kh7bMFPL7P pic.twitter.com/HzBmDppfqF
— 国公一般 (@kokkoippan) 2014年4月28日
韓国では高齢者のふたりにひとりが貧困ですが、
日本ではひとり親家庭のふたりにひとりが貧困ということです。
どのカテゴリに貧困が多いかが、その国の社会制度、
そしてそれを支える社会通念を反映することになりそうです。
日本では、両親がいる標準的な家庭を前提に様々な制度が
設計されているため、一人親家庭は困難に直面している。
日本は一人親家庭の貧困が最も著しい社会であることは、
認識しなければならない。
わたしが何度もお話していることですが、
日本では高度経済成長期に浸透していった、
「夫が働き妻が専業主婦で子どもはふたりがあるべき家庭」という、
「家族思想」に対する「信仰」が強いです。
「信仰としての家族思想」
「信仰としての家族思想(2)」
ひとり親家庭は、その「信仰」の「教義」から外れるので、
社会通念からも社会制度からも放置されることになります。
日本の場合、「教義」から外れた「異教徒」を
「なかったことにする」というかたちで差別する、
ということも、他にはあまり見られない特徴的なことです。
「サザエさんに見る日本の“家族信仰”は異常
『シングルマザーの貧困』著者が語る、標準以外を無視する社会」
「異教徒」にもいろいろありますが、
ひとり親家庭に対してとくにきびしいのは、
「離婚した女性」とくに「夫の庇護に従わない女性」に対する
差別意識が強いことになるでしょう。