ということはよく言われます。
これはメインブログの2016年9月7日エントリでご紹介した、
性衝動を起こす生物学的条件から、理解することができます。
「愛とセックスの関係 ~男女の違い~」
女性が性衝動を起こす生物学的条件は、次の3つです。
ここで重要なのは、相手の男性が長く自分を
サポートすることを信用できるかという、3.の条件です。
1. 自分自身の生活レベルから見てもうひとりの生命を背負って
生きてゆくことが可能かどうかの生活レベル判定です。
2. 相手となる男性の適応度がある程度以上に高いかどうかをもとにした
遺伝子継承可能性についての遺伝子選別(配偶者選択)です。
3. 相手となる男性がその生活をサポートしてくれるか
どうかを判断するための愛情確認です。
3.の条件が大事になるのは、人間の子どもは育てるのに
とても手がかかり、女性ひとりではきわめて困難なことによります。
人間の妊娠、出産、子育てはリスクとコストが大きく、
次世代を産み育てる条件がじゅうぶん整わないと、
母子共倒れになる恐れがある、とてもシビアなものです。
人間の子育てには、配偶相手の男性からのサポートが必要で、
サポートを受けられるかどうかは、きわめて重要になります。
男性からのサポートがずっと続くことを保障するのが、
相手の男性から自分への「恋愛感情」ということです。
子育てに自分と子どもの生死がかかっている以上、
サポートを受け続けられる可能性に対して、
女性が多大な関心を払うのは当然ということになります。
それゆえサポートの保証である恋愛に、
女性が関心を持つようになるのも、必然と言えます。
2.の条件は、相手の男性が自分の配偶者として
ふさわしいかどうかの見きわめです。
これは相手の男性に対する強い関心となるので、
「相手を深く知る」という、恋愛感情の構成要素に
発展していくものでもあると思います。
「女性が恋愛に関心を持つのはもっとも」なんて書くと、
いい気分のしないかたもいるだろうと思います。
「女は恋愛に関心を持つ」というのは、
強烈なジェンダー規範として、女性の行動に強く
圧力をかけることが多いからです。
ここで大事なのは、性衝動を起こす生物学的条件が
このようだからといって、「女性は恋愛に関心を持たなければ
ならないと決まってはいない」ことです。
科学的事実は、あくまで「事実」というだけで、
「規範」を与えるものでは決してないからです。
人間には個人差がありますから、恋愛に関心のない女性や、
恋愛に関心があるけれど、ほかのことにもっと関心のある
女性がいても、ぜんぜんおかしくないし、
問題もまったくないということです。
そもそもこれは性衝動を起こす生物学的条件ですから、
子どもを産み育てることに関心がなければ、
発動されることはなく、もとより関係のないお話になります。
むしろわたしとしては、恋愛に関心のある女性がいても、
「おかしい」とか「くだらない」とかさけずむなと、
とくに男性や男社会に対して言いたいです。
それは性衝動を起こす生物学的条件に沿ったものだから
「おかしい」ことはないし、自分の生死に関わるのだから、
「くだらない」こともぜんぜんないからです。