2017年03月12日

「取り戻す」というスローガン

「なにがしを取り戻す」という政治的スローガンを
このところよく眼にすることがあります。
それについて、なぜに「取り戻す」と言いたがるのかと、
疑問があるかたもいらっしゃると思います。

稲田防衛相「教育勅語の核の部分は取り戻すべき」 | NHKニュース

なんでそう「〜〜を取り戻せ」(昔はあったはずのものが失われている)という発想にこだわるんだろう。♪邪魔するやーつは指先ひとつで

2017/03/09 00:04

 
上記のブックマークは、森友学園の件で追い詰められた
稲田朋美が「教育勅語の核の部分は取り戻すべき」と
発言したことを受けています。

2012年衆院選の安倍・自民党の選挙スローガンは、
「日本を取り戻す」でした。
2016年のアメリカ大統領選でもトランプのスローガンは、
「偉大なアメリカを取り戻す(make again)」です。

「取り戻す(make again)」という表現は、
過去の栄光への回帰を連想させますから、
このスローガンが好きな人たちは、政治思想について
特定の方向性があることは確かでしょう。


なぜ「取り戻す」なのかですが、わたしが思うに、
ひとつは「奪われた」という被害者意識を
強調できるからということがありそうです。
「自分は被害にあったのだから、保障を求めて当然」です。

もうひとつは「本来は持っているもの」という
正当性を主張できることがあると思います。
「本来持っているものだから、ふたたび手にして当然」です。

それゆえ「取り戻す」というスローガンが出てきたときは
1. だれから奪われた(と思っている)のか
2. 本当にかつては持っていたのか
というふたつを考える必要があるでしょう。


posted by たんぽぽ at 16:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治・社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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