マイノリティや社会的弱者に対して異様なまでの
被害者意識をあらわにし、ここまであからさまに
脅迫ないし恫喝ができるのは、珍しいかもしれないです。
ジェノサイドの予告と言っていいレベルです。
というか、劣勢だから何してもいいと社会の寛容さに依存した態度とってるとだな?マジョリティがブチ切れたときに真っ先にペンペン草も生えないレベルで更地にされると思うんじゃが。
— salmo(ポリコレめんどくさい (@invasivespeacie) 2016年12月3日
リベラルは他人の堪忍袋の上でいつまで高砂舞うつもりだ。
— salmo(ポリコレめんどくさい (@invasivespeacie) 2016年12月3日
信繁はそれが挑発になるとわかってやったが、リベラルはそもそも挑発してる自覚すらないのも見受けられてなんとも。
何でもありのデスマッチやったら最後に立ってるのは数と経済力を揃えたとこだと思うけどね。なぜ歴史の針をそんなにも巻き戻したがる。
— salmo(ポリコレめんどくさい (@invasivespeacie) 2016年12月3日
これらのツイートは、背景には被差別マイノリティによる
社会問題の訴えかたが気に入らない、という反発があるようです。
「俺たちマジョリティの機嫌を損なわないよう、
マイノリティはお伺いを立てなければならない」は、
それ自体が差別的ですが、それを極端にしたと言えます。
2014年5月に、カリフォルニア・サンタバーバラで「非もて」が
女性に対する恨みから銃を乱射する事件がありました。
「サンタバーバラの非もて」
このとき犯人は、自分の女性に対する復讐を
「最終解決」と呼んで、ヒトラー・ナチスの
ユダヤ人絶滅計画になぞらえていたのでした。
最初のマイノリティに対する脅迫・恫喝と言えるツイートは、
この「最終解決」に相通じるものがあると思います。
そして「ファイナル・ソリューション」という用語を使って自身の計画を説明している。本当は、「ぼくのことを認めない女子学生はみんな焼き○してやる」というような規模の攻撃を考えていたようで、それも陰惨極まりない内容。読んでいて気持ちの良いものではないので、それなりに準備を。
— nofrills/新着更新通知・RTのみ (@nofrills) 2014年5月26日
社会的弱者やマイノリティに対する、
「社会の寛容さ」なんて、いったいどこにあるのかと思います。
社会的弱者やマイノリティの発言や活動は抑圧されやすいし、
沈黙を強いられやすいのが相場です。
ネットで実名を使うと被害を受けやすい人たちは
どういった人かを調べた調査があります。
具体例が挙げられていますが、被差別マイノリティや、
そして彼らの権利のために活動する人たちが、
被害を受けやすくなっているのが、あきらかです。
「弱者に危険な実名ポリシー」
実名によって実生活の属性(ジェンダー、性的指向、
エスニシティ、宗教など)がわかるので、実生活で受ける差別を
ネットでも受けることになるということです。
1. 女性 女性であることを示唆するユーザー名を使用すると、
男性に比べてオンラインでいやがらせを受ける頻度が最大で 25 倍も高くなります。
2. LGBT (レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー) の人々
特に、オンラインでいじめを経験する割合が 50% に上る十代の若者、
および非差別政策をとっていない地域、または同性愛やトランスジェンダーの行動が
違法となる地域に居住する人々。
3. 子ども 自己防衛のため、多くの場合オンラインでは別名を使用するように勧められます。
4. 家庭内暴力の被害を受けたことがある人々
加害者に見つからないようにする必要があります。
5. 宗教的信条、その欠如、または経験により危険な状態にある人々。
6. 活動家、告発者、職業上の別名を使用する人々。
一般に被差別マイノリティや彼らの権利のために
活動をする人たちは、自分たちに対する
社会からの風当たりの強さをじゅうぶん知っています。
そして社会的強者や体制によるバッシングを覚悟の上で、
発言や活動をしている、というのが実情です。
忍耐を強いられるのも、被差別マイノリティや、
彼らの権利を守るために活動している人たちです。
社会や体制の無理解や偏見につねにさらされ、
自分たちの環境はなかなか改善しないし、実情を訴えれば、
強者や体制からのバッシングを受けるからです。
2016年8月に、NHKの番組で貧困高校生が登場したことが
ありましたが、個人情報を晒した集団バッシングにあい、
国会議員までバッシングに便乗することがあったのでした。
「子どもの貧困とバッシング」
「保育園落ちた日本死ね」も、保育園の不足問題に
思いを馳せることなどまったくない人たちが多く、
理不尽なバッシングが展開されています。
「つるの剛士・日本死ねに反発」
社会的強者、マジョリティ、差別主義者たちこそ、
「他人の堪忍袋の上でいつまで高砂舞うつもり」なのかと思います。
最初のツイートの、社会的弱者やマイノリティに対する
理不尽で言いがかりとしか言いようのない被害者意識は、
抑圧や被害に対する耐性がとても低い、
社会的強者の特徴でもあると思います。
そして社会的強者だから、言動に抑圧を受けることがなく、
被差別マイノリティが受ける被害と比べたら
圧倒的に小さなダメージでも、声を大にして
「被害を受けた」と訴えられるわけです。
このような不当な被害者意識にもとづいて、
実際に加害行為を行なえるのも、社会的強者の特徴です。
サンタバーバラの「非もて」は現実に加害を起こしています。
加害の最たるである、ヒトラー・ナチスによるユダヤ人迫害も、
「ユダヤ人がドイツ人の生存圏を奪う」という
被害者意識にもとづいたものです。
こうしたことは、ふつうは思っても言わないと思います。
それを「マジョリティがブチ切れたときに
真っ先にペンペン草も生えないレベルで更地にされる」
なんて言えるところが、最初のツイートの
正直にして恐ろしいところだと思います。
かかる不当な被害者意識と、被差別マイノリティに対する
加害欲求は、少なくない社会的強者やマジョリティが
持っているのではないかと思います。
「移民が職を奪う、移民を排斥しろ」とか
「貧困層が福祉を奪う、貧困は自己責任だ」くらいのことは、
残念ながら先進国でも一般的に見られることです。
かかる社会的強者やマジョリティの
被害者意識と加害欲求をストレートに表現したのが、
最初のツイートということになるのでしょう。