2016年12月05日

日本死ね・流行語受賞に反発

ユーキャンの流行語大賞に選ばれた「保育園落ちた日本死ね」は、
やはり反発する人がいらっしゃるのでした。

「つるの剛士「日本死ね」流行語に「とても悲しい」」

話題になっていたときも、反発がたくさんあったことです。
流行語に選ばれて改めて評価と注目を受けることで、
また反発する人が出てくるのは、容易に予想されることではあります。

 
つるの剛士氏はその反発を次のように表現しています。


悲しむべきは、保育所の整備が立ち遅れている日本の現状です。
「保育園落ちた日本死ね」は、現状を改善しない
日本社会に対する不満、そしてそれによって生活が
立ち行かなくなる状況を率直に表現したものです。

日本の保育所環境はそれくらい劣悪だと理解することです。
ことばが気に入らないからと言って黙らせたところで、
「日本死ね」と表現されるべき現状はなにも変わらないです。

流行語に選ばれたのがご不満でしたら、現状を改善するべく、
保育所の整備に尽力することです。
保育所で苦労しなければ、「日本死ね」なんてだれも言わないです。


「日本死ね」と言われるまで、保育所の不足をいくら訴えても、
相手にしてこなかったのが日本社会です。
「日本死ね」がそんなに嫌なら、なぜそう言われる前に、
適切な対処をしてこなかったのかと思います。


「日本死ね」という表現が悪いというもの言いも、
「批判のしかたが悪い」という「批判批判」の一種だと思います。
都合の悪い批判が出てきたので、自分が受け入れられないのを
批判者の態度のせいにして、矛先を転嫁しようというのでしょう。


つるの剛士氏だけが特別では、ぜんぜんないでしょう。
「保育園落ちた日本死ね」に対して、同じように反発する人は、
はなはだ残念なことにたくさんいると思います。

「日本死ね」が不満だというつるの剛士氏のような人は、
保育所の整備をおこたってきた日本社会を構成する一員として、
自分の責任も問われていると感じ取っているのかもしれないです。
それで責任逃れをしたいことが考えられます。

「日本が悪く言われた」という、ナショナリズム、
ショービニズム的動機も考えられるでしょう。
これらが大事だという人は「政治とは天下国家を語るもの」
という認識があることが考えられます。

そうした人は、家族やジェンダーに関することは、
「オンナコドモのことだからくだらない」と思っていたりします。
それで保育所のことなんていくら放置しても
なんら問題ないさえ思っていて、
「くだらないことで、日本が悪しざまに言われた、許せない」
とでも感じるのではないかと想像します。



付記:

つるの剛士氏に関してのその後。

「つるの剛士「保育園落ちた日本死ね」流行語に違和感…批判に謝罪」

「「日本死ね」に“異議”のつるの剛士さん 
一連のツイートが波紋「謝る必要ない」「問題の本質理解してない」」


posted by たんぽぽ at 22:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 家族・ジェンダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 つるのだけではないけれど、これを批判している連中がずるいのは、表層的な「死ね」という単語の問題に終始して、本音を隠していることね。
 本心はわれらがアベ大首領様に逆らう民進党の議員を選ぶとは何事だ!でしょ。
 じゃなかったら、どうしてこのタイミングで。

 ちなみにつるのですが。
 詳しくは私のmixi日記に書いたんですが
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1957154522&owner_id=1806035
表面的な言葉だけしか見えないおばかのふりした、イクメンの皮を被ったウヨトラマン

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1957217001&owner_id=1806035&org_id=1957154522
「日本死ね」より『日本が好き」のほうはずっと恐ろしい

 このツイートね、安保法制のときと同じにおいを感じるんですよね。
 普段から、時事ネタについてある程度発言しているのならともかく、このタイミングで…
 しかも、かつて政治ネタをツイって炎上したことがあるのに、またかよと思うんですが。
 有名人、しかも子煩悩なイクメンパパのキャラで売っているので、言葉や表現は抑えてますが、中身はモロネトウヨですね。

 まあ、たかが一芸能人ではあるし、役者の仕事の数多くのひとつ、と頭ではわかってはいるんですが。
 特撮好きな私は、人々を守る正義のヒーローを演じた役者さんが、こんなテイタラクになるのが、なんともはやな気分です。
Posted by イカフライ at 2016年12月06日 20:35
イカフライさま、こちらにコメントありがとうございます。

>本心はわれらがアベ大首領様に逆らう民進党の議員を選ぶとは何事だ!でしょ

それもありそうですね。
民進党、野党が選ばれたから気に入らない。

>http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1957154522&owner_id=1806035
>表面的な言葉だけしか見えないおばかのふりした、イクメンの皮を被ったウヨトラマン

>http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1957217001&owner_id=1806035&org_id=1957154522
>「日本死ね」より『日本が好き」のほうはずっと恐ろしい

こちらはご紹介ありがとうございます。

最初のツイートでも「日本人としても」と書いていて、
ナショナリズムの匂いを漂わせていたけれど、
あとのツイートでは「普通の日本人のオヤジ」とか
「日本好きで何が悪い」と書いていて、はっきりしましたね。

つるの剛士の「保育園落ちた」に対する反発には、
国粋主義的な動機があるのは、たしかでしょう。


「「日本死ね」より『日本が好き」のほうはずっと恐ろしい」
というのは、当たっているとわたしは思います。
歴史を見てもナショナリストやショービニストのほうが、
反ナショナリスト、反ショービニストよりも、
惨劇をたくさん招いていると思います。

アンリ・バルビュスの『クラルテ』に出てくる一説
「狂気じみた愛国心は蛆虫」というのは、
いまだ当たっていると思います。


|現日本政府(つまりはアベ政権ですな)の権力を嵩に来て、
|マイノリティを差別したり、政権批判を許さないこと

というのも、現在の日本に関しては当たっていますね。
彼らのショービズムは、体制信仰なのだと思います。
なぜ信仰するかと言えば、ご指摘のように体制が偉ければ、
自分たちがそこに便乗して威張れるからでしょう。


>有名人、しかも子煩悩なイクメンパパのキャラで売っているので、

女性でも女性差別に加担した実績ばっかりという人も
珍しくないですし、イクメンパパでも保育所問題に
ぜんぜん理解ない人がいても、さほどおかしくないとは思います。


>特撮好きな私は、人々を守る正義のヒーローを演じた役者さんが、
>こんなテイタラクになるのが、なんともはやな気分です。

好きな芸能人がこういうところで堕落していくのは、
とても悲しい気持ちになりますよね。

(余談だけど「正義のヒーロー」は体制側のような気がする。)
Posted by たんぽぽ at 2016年12月06日 22:42
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